出会い、想い、始まり。
いつも通りの時間に登校
HRは面倒なので俺はいつも一時間目の開始する5分前に学校に着くように登校する

生徒の姿は一切なく門も閉まっている
だけど飛び越えれば問題ない

俺はいつものように門を乗り越える

先生達はもう準備等でいないし、うだうだと説教も聞く必要はない

この時間に登校するのは凄く楽だ

………と3秒前までは思ってました

「フィディオ・アルデナだな」

「え?」

声をかけられた
顔を上げれば目の前に青い髪の……

べしっ

「うおっ!?」

男か女か一瞬悩んでいたら、なんと青い髪した人は俺を木刀で叩こうとしてきた
なんとか…かわしたけれど

「なにするんだよ…!危ないじゃないか」

「フィディオ」

「……なんで名前知って」

「遅刻したものにはイエローカード。3回遅刻でレッドカード」

「は?」

「あなたは入学してから一年と半年、毎日遅刻。先生方も手におえないと困っています」

「……」

「よって、生徒会長兼風紀委員の私、エドガー・バルチナスがあなたの御世話係に任命された」

「……え…?」

生徒会長とか顔を覚えてないし……
御世話係ってなんだよ
つっこみするのすら忘れて俺は考えこんでしまった

「とりあえず、生徒会室に来てください」

「ちょ、待っ!なんで俺が……今から授業だし……」

「先生からは許可をもらっている」

「………」

面倒なことになった
今まで通りほっといてくれれば良いのに……

………

俺はエドガーを無視することにした
とりあえずどうせ説教聞いたって時間の無駄

(今日はもう帰ろうかな)

くるりと後ろを向き俺は素早く門に手をかけ飛び越えた

「な、フィディオ!」

「生徒会長なら早く授業いけば?俺はもう帰るから。お疲れさま」

ヒラヒラと手をふり俺は家に向かって歩く



ぐいっ

「!?」

急に腕を引かれて予想外すぎて俺は後ろに倒れる
しかし後ろにいる人に支えられなんとか地面に倒れるという惨事はまぬがれた

「大丈夫ですか?」

「……」

「そんな露骨に嫌そうな顔はやめていただきたい」

「……君、生徒会長様が学校の敷地内から出ていいの?」

「問題ない。フィディオを連れてすぐ学校に戻りますから」

「無理。俺は帰る」

ひょい

「!?」

「さあ戻りましょう」

俺は一瞬目を疑った
だって、なんか俺……担がれてる!!

「はなせっ!!」

「お断りします」

「な」

俺が次の言葉を発する前にエドガーは走りはじめた

そして俺でも若干苦戦する門を軽々と乗り越える

さらに校舎に入り生徒会室へ連行

生徒何名かに見られ俺は凄く恥ずかしかった


ドサ…
若干乱暴にソファーの上に落とされる
俺がすぐに逃げようとしたら、エドガーは上に乗ってきた

「……」

「……」

空気が重い

仕方ない
このさい諦めて説教聞いてさっさと解放してもらおう

「……生徒会長さん…話聞くから、どいてくれない?もう逃げないからさ…」

「……」

「会長…?」

「エドガーでいいですよ」

「……エドガー、あの…はやく上からどいて」

「断る」

「即答!?」

「大丈夫。フィディオがちゃんと真面目になれば解放しますよ」

いや、それ永遠無理っ

心の中でツッコミする

「……何するの…?」

「とりあえず、制服から見ていきましょうか」

「……」

「まず、せめてネクタイくらいはしっかりしめてきてください」

「え、あれ窮屈だから嫌……」

まで言って俺はハッとした

目の前にいるエドガーは笑顔
すごく笑顔
だけど……笑ってない

「エドガー…えっとごめん…今のなs…」

シュルリ…

なぜかエドガーが自分のネクタイを解く
そして俺の手首を掴む

「な、なにして……」

「ネクタイの使い道を教えてさしあげますよ。こうやって…捕まえた時等に縛れば……暴れられても無駄な抵抗と化します」

「いきなりおかしいよ!学生にそんな場面ほとんど必要ないよね?!」

ツッコミも虚しく俺の両手は一つに縛られてしまった

「次に、シャツのボタンを外しすぎです。全部とめろとは言わないですが…」

「ストップ!!なんで全部はずそうとしてるの?!」

「下に着てる服の色が派手すぎなおかつ若干ダサ……いえ、子供っぽいなと気になりまして」

「悪かったな…」

なんだこの失礼な男は…

殴りたくなる衝動をおさえながら俺ははやくチェックが終わらないか待つ
しかし……


「ひゃう…ッ!?」

急に冷たいものがお腹あたりに触れたため変な声がでた

俺が驚いてエドガーを見るとエドガーの片手は俺の服の中に侵入していた

「な、ななななななにやって……」

「ダラダラしてるわりに、しっかりした身体だと思って」

「そこまでチェックする必要ないだろ!変態!セクハラ!!」

「失礼な。あまりうるさいと無理矢理でも黙らせますよ」

「やれるものならやってみろっ!」

俺は手を縛ってたネクタイをなんとか解きエドガーに投げつける

するとエドガーは俺の顎にてをかける

「?!」

軽く唇になにかが触れたかと思ったら再び重なりなにかが口内に侵入してきた

「ふっ…ぁ」

一瞬で何が起こってるか考えた結果俺はキスされてることを理解した

エドガーの肩に手をかけ押し離そうとしてもぴくりとも動かず逆にキスは激しくなっていく

「んんっ…ぅう…はぁッ」

やっと解放されたころには俺は身体に力が入らなくなっていた

「……可愛いですね。いじめたくなります」

そう耳元で囁かれる

嫌な予感しかしない

「……っ…は、なせ…!」

俺は力の入らない手でエドガーを突き飛ばす
すると意外にもエドガーは俺から離れた
これはチャンスとばかりに俺は生徒会室から逃げるように去った

乱れた服とか直す暇もない
鞄とかも忘れたけど構ってられない

全速力で走って自宅に帰った

自宅の鍵を鞄の中にいれっぱなしだったのを思い出したのは自宅前でだった

(やってしまった……)

取りに戻るにも生徒会室はしばらく行きたくない
あんなことされて行けるわけがない

思い出しただけで顔に熱が…

(男同士なんてありえない…。しかも俺ファーストキスだし……)

「フィディオ」

「……!?」

声をかけられて振り向けば何故か先程俺にキスしてきやがったエドガーがいた

「ななななななななななんっ……」

「忘れもの届けにきました」

「あ……ありがとう…って、違う!なんで俺の家を……」

「先生に教えていただきました」

「………」

先生のバカヤロー

「……ってあれ?エドガーも帰るの?」

鞄が二つ
一つは俺ので、多分もう一つはエドガーのだろう

「フィディオがいないのでしたら私は必要ないですからね」

「いやいやいや、ちょっとまって!授業とかは?」

「成績的には問題ないので先生方にフィディオのお世話係を頼まれたのですよ。だから、心配はありません」

「……俺のことは放っておいていいから自分のことを……」

「放っておけませんよ」

「……え?」

「私は、フィディオが好きですから」

「……え、っ…えええええええ!?」

「もちろんLOVEの意味で」

「聞いてないよ意味は!ってか今日会ったばかりだし…」

「いえ、毎日見てましたよ」

「へ?」

「朝、校門乗り越える姿を教室から毎日見ていました。たまに失敗して落ちる姿が可愛いくてフィディオに興味を抱きました。それ以降私の中であなたの存在はとても大きく……(*都合により以下略)」

(見られてた!?穴があったら入りたい!!いますぐに!!)

すっ…

エドガーの手が頬に触れてきた

「好きです」

「…ってことは…さっきの…キスは…」

「あんな可愛く誘われたら我慢出来なくなりました」

「誘った覚えないよ!!?」

「フィディオ」

「?」

ちゅ

「!!」

「これからあなたを私のものにするために頑張るので覚悟しておいてください」

「は…!?」

ぽかんとしていたらエドガーはさっさと帰ってしまった

「な…なんだったんだ…?」

俺はとりあえず考えるのもそこそこに家に入ることにした



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