人形みたいに

願っても 想っても
叶わないし 届かない

皆のために 輝くだけの存在
皆のために 存在するしかない

それしかなかった


「フィディオ」

「!」


今日も来た
俺はため息をついて後ろを見る
すると、目の前にいるアメリカ代表のキャプテン……マークは抱き着いてきた
これはいつものこと、そしていつもこういうんだ


「「フィディオ、そろそろ俺と付き合わないか?」」


綺麗にハモったから俺はやっぱりかと呆れる
マークは驚いた表情を浮かべる


「いつもワンパターンなんだよ」


苦笑しつつ言うとマークはため息をついた


「じゃあ返事は…いつものようにYESか?」

「いつも道理NOだよ」


そう一言言って俺は再び歩き出す
今日は休日だから買い物でも行こうかなと歩いていた


「いつも断るのは何故だ?」

「俺がマークを好きじゃないから」

「じゃあどうすれば好きになる?」

「……………永遠無理じゃないかな」

「その理由が知りたい」

「説明するの面倒だからパス」

「パスは無しだ」


真剣な顔でマークが言ったので俺はかなり困った
だって理由はむしろ俺が知りたかった
マークのことは好きだ
恋愛感情ではないけれど友達としてなら凄く好き


「やっぱり男同士だからじゃない?」

「女にも同じ態度じゃないか」

「………」


その通りだ
考えたら、だれと並べてもマークが一番好きだと言える
だけど恋にしたら好きじゃない
好きになれない
好きになってはいけない


「マーク」

「ん…!?」


試しに俺はマークにキスをする
微妙にマークの身長が高かった
昔は同じくらいだったのに……
そんなことを思いつつ唇を離す
ああ…やっぱり…


「……なんでだろうね」


ドキドキもなにもないんだよ
俺には


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bkm
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