告白

「好きな人ができた」

そう半田に告げられて俺は一瞬心臓が止まるかと思った
今の心境を例えるなら「絶望した」とか叫んで首を吊りたい

「相手は誰?お父さんは許さないぞ」

「誰が父さんだよ。一之瀬、親というのは子供が旅立つのを見守るものだぞ」

「俺、半田の親じゃない」

「………はぁ、ネタふったのお前だろ。そして相手は内緒」

呆れながら半田がいってきた
そして訪れた沈黙

そりゃあ、恋するのは自由だけどさ違うんだよ
俺は半田が好きなんだ。片思いなんだけど

とりあえず沈黙が耐え切れない
でも頑張れとか言えないし、告白もできない
次の行動をどうしようか悩んでいたら、ドアがノックもなしに開いた

まあ半田の部屋だからとくに気にしないけど

「ねえ半田、一之瀬見当たらなかったよ」

ガチャリと開いたドアの隙間からフィディオが顔を覗かせつつ言った

「ん?フィディオ俺を探してたのか」

俺が尋ねるとフィディオはうれしそうな表情をした

「二人一瞬にいるってことは、半田もう一之瀬に告白したんd…もがふっ」

「バカフィディオ!!!言うな!!まだ言ってねーから!!!」

「…………え?」

今ものすごい言葉が聞こえた気が……

「まだ言ってなかったんだ?……半田怒ってる?」

「フィディオのドジ!空気よめ!バカ」

「そんなに言わなくていいだろ!中途半田なくせに」

俺を放置で声が似てる二人は喧嘩をはじめた
そんなことより

「半田…あのさ…」

「……い、一之瀬…!!」

「どういうことか説明してくれる?イマイチわからなくて……」

そう聞くと半田はフィディオを見る
フィディオは苦笑しつつ部屋からでていった

「………一之瀬」

「ん?」

「もうばれたかもしれないけど…俺、一之瀬のことが好き…………やっぱいいや」

「そこまで言ったら後戻り出来ないのに何がやっぱいいやなんだよ」

ツッコまずにはいられなかった

「………」

「………」

「…………」

「………半田?」

「……一之瀬、好きだ」

半田が顔を赤くさせながら言った
なにこの半田
デレ期か?

でも、だけど…

「半田、俺も…」

ガチャ

「あのさ、俺さっきサッカーボール置き忘れ…」

「「……………」」

「………あ、れ?なにこの雰囲気…」

「フィディオ、ちょっと来い」

「待って、半田…!顔が…顔が怖いよ!!!」

「…………はぁ」

フィディオを連れて半田は部屋をでていってしまった

せっかく両想いになれるチャンスを邪魔されて正直残念だったけど
まあとりあえず深呼吸

「よし」

半田が戻ってきたら俺の気持ちもしっかりつたえよう

俺はにやける顔を隠しつつ半田の帰りをまつことにした


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bkm
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