そんなの急に言われても



そんなわたしは今、引退試合という物の応援を任されている。今のところ、この後どこかの部活によばれて応援をする予定はないから、わたしにとってもこれが最後の晴れ舞台になるんだろう。

「好きなんだ」

一週間後の引退試合に向けた練習が終わり帰ろうとした所で呼び止められ、出し抜けにそういわれた。
…えーと、確か今度応援するサッカー部のキーパーくんに。

「…あの」
「引退試合で、俺絶対に相手チームに点、入れさせないから」

試合が終わったら、答えきかせて
まっすぐな瞳だった。告白されたのは初めてだったけど、こんなまっすぐ見られてときめかない女の子なんているのだろうか。いや、いない。
それだけ告げた彼は踵を返して走って行ってしまった。追いかけることもせず自分の顔に熱が集まったのを感じる。心臓も、うるさい。

家に帰ってからというもの、真っ赤になった顔もそのままにダイニングへと走りとりあえず雑誌を読んでいた弟にダイブ。
びっくりした表情を浮かべてたけど、そんなこと今はかまってられない。まったく、冷静沈着が売りじゃなかったのか、わたしは。一年前に「御令嬢」というあだ名をつけられて以来、男子との交流は一切途絶えたわたしにとって、異性との会話がちょっと恥ずかしかっただけ、ああもう何がしたいのかわからない!










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