夏のお野菜





「ルー、手伝って」
「何するの?」
「収穫」

ニコッと笑った兄ルークにルーファは返事をして、後ろをついていく。

「ルー兄、何作ったのー?」
「トマトだよ」

見れば小さな菜園にはいっぱいのトマトがなっている。

「わー!ミニトマト」
「小さくて可愛いだろ?」
「うん!」

赤くなった実を次々とルーはもいでいく。
笑顔の妹にルークも笑みを溢して続いて収穫していく。

「お兄ちゃん、一個食べてもいい?」
「いいよ、すこし拭いてからな」
「うん!いただきます!」

ぷちっとヘタが器用にもがれてルーの口にはまれていく。

「どうだ、うまいだろ?」
「うん!すごく」
「ルーはミニトマト大好きだもんな」
「昔、ママとルー兄と一緒に作ったよね」

もう一個口に放りこんで妹は笑う。

「うん、懐かしくて作ってみたんだ」
「ルー兄がトマトもぐのに夢中になってルーのこと相手にしてくれなくなったの」
「う、…そこまで覚えてるか」

沢山なった実にあまりに感動して、ルーをすっかり放っとおいてしまったのだ。

「でも、ちゃんとそのあと抱っこして高いとこのトマトとらせてくれた」
「そうだったな」
「もう、抱っこしなくても届いちゃうんだね」

おっきくなるんだなぁとルーは呟いた。

「ルー兄」
「うん?」
「抱っこして?」

大きい瞳が揺らぐ。
ルークはニッコリと笑うとルーファにトマトの入った篭を持たせると大きくなった妹をそっと抱っこした。

「ルーおっきくなった」
「当たり前!いつまでもちっちゃいままじゃないのー」

お兄ちゃんのお手伝い出来ないでしょ。

耳に届いた声にルークは、優しく微笑んでルーの瞼にキスをした。




END




お題はwater*glassお借りしました!
宿題第二弾です(*´∀`*)




[ 86/87 ]

[*prev] [next#]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -