チョコミントの幸半分





「見てるだけで暑いの」
「見てるだけで暑いな」
「「んー?」」

ソファに座ってアイスを食べてる六人。
ただ、次男と三男だけはべったりとくっついて一個のアイスを二人して食べてるのだ。

「暑苦しいな」
「なんだよ、羨ましいなら羨ましいって言えばいいじゃん、アシュ兄」
「誰が羨ましいといった馬鹿が」

宇治金時のアイスを口に放りこんでアッシュは溜め息をつく。

「なんでお兄ちゃんたち一個ずつ食べないで分けてるの?」
「うーん、母上のせいかなー…」

二人揃ってチョコミントのアイスが好きな、ルークとルク。
しかし、チョコミントのアイスは中々売ってないので買えたとしても二人で一個とずっと教えられて来たのだ。

「で、今に至るというか」
「二人で一個でも間に合うんだよな」
「まぁ、争って喧嘩するよりはマシだが」

しかし、二人は口を開いた兄を無視してアイスを頬張り始めて。

「ルー兄、口の端についてる」
「え、どこ?」
「違う、こっちだって」

ペロリとルファークがルークの口の端を舐めた。

「く、擽ったい、ルク」
「えぇ、いいじゃん」
「もう、仕方ないなー、ほらもう一口」
「あーん」

ヘラを持っていたアッシュの手が震える様子を見て妹たちと姉は飛び火しないように避難する。

「てめぇら!人の話は聞けえぇえぇ!!!」

暫く、ファブレ家にアイス禁止令がでましたとさ。


END









―――――――
でも本人たち幸せ。




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