4月6日
ルークが雲隠して五日目、妹に頼まれて買い物をしにきたルクは見慣れた赤い頭を見つけました。
「これでよしっと」
全てを買い終えて帰ろうとする紛れもない、兄ルークの腕を掴む。
「ほぇ?」
「見つけた、ルー兄!」
「おっ、ルク」
「おっ!じゃねぇよ…今までどこにいたんだよ」
「ガイのとこ、どう、調子は?」
「どうもこうも、てんやわんやだっつーの!ルカなんかもうレシピ無いって泣くし、アシュ兄はモノサシで洗濯ものたたむし」
うーんとルークは考えこんでから「ついてきて」とルクの手を握るとガイの店に向かった。
「お、おかえりルークって」
「はは、ばれちゃった」
「よう、久しぶり」
ぶすっとしたルクにガイは苦笑して紅茶を一杯差し出した。
「ルー兄どういうことか説明してくれよ」
「…はい、分かりました」
例の愛読書を出して説明を始めた兄に、崩れ落ちるルク。
「はぁ、それならちゃんと理由を説明してから家出してくれ」
「説明したら家出にならないじゃんか、これ、ルカにやって、それからここであったことは秘密ね」
「わかった」
「あと数日頑張って」
「了解」
ルークからレシピの本を預かると後ろ手をふって店から出ていく。
一人ルークに会えて充電したルクは買い物の続きをしようと歩き出した。
拝啓父上様
どうして、兄さんは高校生なのに愛読書が育児雑誌なんですか、やっぱり父上の教育がいけなかったんだと思います。
END
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