4月5日
「お姉ちゃん、終わった?」
「あぁ、こんなんでどうだ?」
「すごーい、綺麗ー」
掃除していた姉が少し頬を緩ませる。
「歯ブラシも使ってみたんだ」
「ん、いらない歯ブラシあったの?」
ルカが聞くとアシュリアはたっぷり考えたあとポンッと手をうつ。
「…この色は兄上のか」
「もーお姉ちゃんってばー」
「このまま、コップに戻したら駄目か?」
小首を傾げてルカを見上げる。
「聞いたらお兄ちゃん怒るよ、コップに戻したらめーなの」
「む、そうか…」
のほほんと和んでしまうような姉の仕草にルカは、手を伸ばして頭を撫でる。
「お姉ちゃん、お疲れ様お茶にしようねー」
「あぁ」
結局、歯ブラシがないことに気づいたアッシュが、夜中にコンビニに買いに行ったことにルカはおろか、姉さえ気づきませんでした。
拝啓母上様
姉妹たちに男子にも気にかけるように教えてください。
流石に…風呂上がりにコンビニに行くのは辛いです。
END
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