1月3日




「ルク」
「何?」
「えっと、放してほし「駄目」
「るくやぁ…」
「だってアシュ兄帰って来たらこうやって独り占めできねぇし」

すりすりと擦りよってくる頬は、ルークだって心地いい。

「もー…、まぁいいか」
「な、たまにはいいだろ」

ただ、ベットにゴロゴロ転がって時間を過ごす。

「ね、オモチどうやって食べたい?」
「んー、雑煮」
「ルカ帰ってきたらあんこに砂糖醤油だもんな」
「うげ、地獄」
「じゃあ、今日の夜は雑煮、ルクに何がいいか聞くとすぐに決まって助かる」

ふふ、と笑っているルークにルクはふいに口づける。

「な、なに!?」
「なにってキス」
「それは俺でもわかる!」
「だからアシュ兄帰ってきたらぜってぇ、ルー兄とうだうだ出来ねぇし」
「もう、ルーに言われたこと気にしてたんじゃないの?」

ルークが言うと、それまでへらへらと笑っていた弟が真剣な面持ちになる。

「気にしてた…だけど考えてみたら俺、ルー兄から離れられないんだわ」
「ぇ?」
「俺たちは双子だろ、やっぱり片割れは特別なんだよ…離れたくねぇ、だからこのネタでルーからかうの止めた」

それは、時間が許す限り。
時間に許される限り。

「大丈夫、一緒だよ…」
「ルー兄」
「一緒、だから」
「わかってる、一緒…ルー兄、な」

大人になるんだなぁときゅうぅっと心臓が縮む。

「ん、やっぱしたくなった…してもいい?」
「仕方ないな…一回だけなら、いいよ」

まるで悪戯を思いついた幼い子のように笑うとキスをした。








それは、1月3日の出来事。




END






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