二男の場合


 眠れるファブレ家の美女
〜アシュリア姉様は低血圧〜


二男の場合。



また、この時がやってきた。
ルークはドアノブに手をかけて息を吸う。
ノックは先程したが、相変わらず返事はない。

「入るよ、アシュ姉」

近付けば、案の定。

(また、脱いでる…)

だから、生足が。

「お姉ちゃん、起きて!朝御飯できたよ!!」
「んん?、る、く」

ほっと溜め息が出る。
なかなか今日は反応が早い。

「今日は母上が送ってきてくれた白味噌、おつゆにしたよ」
「…また、お姉ちゃんと一緒に寝たいのか?」
「…はっ?」
「仕方ないな、お前はいつも甘えん坊で」

にやりと姉の口の端が上がる。
でも、目はいつもよりトロンとしていて。

「アシュっ、ちょ、まだ寝惚け―っおぶっっ!!」
「ほーらおっぱいだぞ、ルーク」

姉の豊かな胸でムギュッと口を塞がれる。

「ぶっ!!?んんー!!!」

健全な男子なら喜んでこの状況を受け入れるだろう。
でも、ルークはそうもいかない。

(ぐ、るじ…っ)

ぜぇったい、老衰で死ぬときめていたのに、姉の胸で昇天しそうだ。

「アシュ…ッ―」
「ッぁ…!」

抵抗とばかりについた手は運悪く姉の胸。

「随分、大胆になったじゃないか」

お姉ちゃんは嬉しいぞと嬉々としてパジャマのボタンを外していく。

「あ、アシュ姉っそれはちょ!!」

無理、という言葉は完全に乳によって発せられることはなかった。









あまりに遅い、ルークを四人が迎えに行くと、ベットの近くの床でぐったりとしていて。

「俺、もう…お婿に行けない」
「ルー兄、大丈夫!ルカのお婿さんにしてあげるからね!!」

手を握ってルカが言うと、ルークは息もたえだえ、「ありがとう」と呟いた。



眠り姫は今だ夢の中。



END












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