海へ行くその1
「海だー!!!!」
元気よく飛び出したルーとルク。
「あいつらは鬼か…」
クラーボックスやらパラソルやら脇に抱えてアッシュはため息をつく。
「ルー、日焼け止め塗るから来い」
「はーい、アシュ姉」
「ルー兄、早く海行こうぜ!」
「ちょっと待てってルク!」
思い思いにはしゃぎだした妹、弟たちにルークが一喝する。
「海に入るのはちゃんと準備してから!ちゃんとストレッチして!!」
「母上か、お前は…」
アッシュはさらにため息を吐く。
「だーいたい、こういうのは年長者が注意することだろう!アシュ兄!」
びしっと指を突き付けてルークは言う。
「馬鹿だな」
「へ、何がアシュ姉…」
「ルーおまえが言うからみんな聞くんだろう、兄上が言っても誰も聞かないさ」
姉の言葉にルクが頷く。
「アシュ姉ー本当のこと言っちゃだめだよー、アシュ兄も人間なんだから」
さらりとにこやかに言うルー。
「お前等な…」
「あ、アシュ兄大丈夫だよ!例え、サングラスかけてマフィアっぽいけど威厳がないのがアシュ兄なんだからっっ」
両手をぎゅっと握って興奮気味にルカが話す。
「…あぁ、ありがとなルカ」
こめかみを押さえてため息を吐きながらアッシュは、キラキラ笑顔のルカの頭を撫でた。
「ぉぃ、ぁぃっが一番ひでーぞ、ルー兄…」
「ルカは天然だからな…」
引きつった笑みを浮かべてルークはルクに言った。
「威厳がないのがアシュ兄なのっっ!!」
BYルカ
[ 12/87 ]
[*prev] [next#]