ファブレ家の夜





「あれ、アシュ兄、ルー兄は?」
「風呂に入ってる」
「四人で?」
「ぁぁ」

確かにうちの風呂は大きいが、出てきたときのルー兄が心配である。

「ルク、冷蔵庫から缶酎ハイ」
「自分で…わかったよ」

睨まれて、ため息混じりにルクは冷蔵庫から言われたとおりにとってきて缶酎ハイをあける。


「ルク、それジュース?ちょっと頂戴?」

後ろからきたルーの悪戯っぽい声が響き、ひょいと缶を取り上げられると、一気に飲む音。

「あ」
「ん、けほっ…」
「ルー、馬鹿か!てめぇそれはアルコールだ、ルク水もってこい」
「あ、ぁあ」
「ルー兄、大丈夫?」
「ルーっ…」

水を持ってきた、ルクが思わずコップを落とした。

「んー!んー!んんっ…んっ…」
「ハぁっ…」

口付け終えると、ルークはルーを放す。

「る、ルー平気?」
「る、るかちゃ腰抜けた…」
「ん、ルク…」
「ルー兄、だめだって」
「むー、俺とちゅーすんのやだってか!?」

ルークがルクを押し倒す形になる。

「ルー、キスなら俺がしてやるよ」

いつのまにか、水を持ってきたアッシュがそれを口に含んでルークに口付けた。

「んぐっ、んん…ンーんん…」
「っ、…ん…」
「んんぁ…ンン…っ」

たっぷり、キスするとアッシュはルークを捕まえる。

「やだー、まだ皆とちゅーしてないー」
「今からたっぷりしてやるから、安心しろ」
「んむー、はやくー」
「ってわけで、ルーがご所望だからな…皆寝るぞ」


こうして深夜までどたばたは続きましたとさ。


END



お酒は人を変貌させる。
ちなみに、ルー兄はキス魔と笑い上戸と幼くなることが判明。





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