Wで迷子




「不覚だ」
「仕方ねぇじゃん」

恨むなら、チョキを出した自分を恨んでくれとルクは思う。

「アシュ姉」
「なんだ」
「平気?」
「…お前に心配されるなんてな」

巨大迷路で二人ずつペアになった六人。
それがものの見事に一番出来そうな二人がもう迷いに迷って三十分がたとうとしてる。

「さっきまできゃあきゃあ言ってたくせに」
「なんか言ったか?」

顔に飛んできた虫に驚いて姉が全力疾走…いや、失踪したのは入ってすぐの事。
追ったルクが姉を見つけたのはさらについ先ほど。
おかげで覚えてきた道もぐちゃぐちゃだ。

「とにかく、行こう」
「なんだ、ルク」

行こうと言いつつかがんだ弟にアシュリアは首を傾げる。

「足、痛いんじゃねぇの?」
「べ、別に平気だ」
「靴擦れ、水ぶくれなったら大変だから早くしろよ」
可愛くない言い方をしつつも、後ろから見える耳や首筋が赤くなっていて、ルクが照れていることが一目でわかる。

「、おまえも随分下僕精神が板についてきたな」
「はいはい、俺はお姉様の下僕ですよ」
「…、ありがとう」

小さな小さな、姉の声。
それには流石にからかうのは止めて「どういたしまして」と応えた。



END




妹たちが一番迷子\(^o^)/




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