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見つけた。
見つけたんだ。

「ルーク!」

下見からの帰りがけ、手をつかまれて振り返れば、ルカよりも自分よりも深い赤色の髪。

「あ、あの…」
「何、手掴んでんだ、しかもそいつはルークなんかじゃないルナだ」

とっさに、ルカがルークの手を掴んだ相手のを叩き落とすと名前を偽った。

「、すまない人違いだったみたいだ」
「ったく、行くぞルナ」
「う、うん」

後ろ髪をひかれるようにその男をみればなんとも、切ない顔でルークを見ていた。

「やっと、見つけた…俺の―…」

二人が完全にいなくなってから赤色の髪をした男は、ニヤリと笑って、反対方向に踵をかえした。




「ルカくん、ルカくんっ!手、痛いよ」
「…」
「ルカくん…」
「ルーク、約束しろよ…どこにも行かないって、拾われた俺の隣にいるって、薔薇館にいるって…」

咬みきれそうなほど、ルカは唇を咬む。
白くなって切れそうで痛々しいにも程がある。

「…落ちついて、ルカく「いいから、約束しろよ!破るなこれだけは絶対に!」
「…、っうん、わかったよ」

この時ルカが感じた嫌な予感は、確かなものになっていくことを、二人はまだ知らない。






何処かの歯車が回る。
鈍い音をたて、ゆっくり、ゆっくりと。










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