レイニーデイ、妖精の羽根
「こんな日は羽も重いよねぇ」
霧雨のような天気にため息をついてルークは頬杖をつく。
「交信もうまくいかないし」
まるで、自分の机の上に何かいるようなルークの話ぶり。
放課後、人が疎らな教室ではその様子に注目する人はいない。
「ルカちゃんは先生につれて行かれちゃったし」
ルカちゃん、ルカちゃん…と綺麗なオッドアイを思い浮かべルークは熱っぽく息を吐く。
「フランソワ…ルカちゃんはとっても素敵だよね、俺ルカちゃん大好き」
「ん、俺もルークが好きだよ」
ぎゅっと背中から抱き締めるとルークはびくりと身を震わせる。
「ルカちゃんっ、いつからいたのっ」
「さっきから」
「やだ、フランソワの意地悪、さっきからクスクス笑ってると思ったら!」
頬を膨らますルークは恥ずかしいのか耳まで真っ赤だ。
「ルーク、今日うちに泊まってく?」
「い、いく…ミュウ連れてっていい?」
「だーめ、今日はルークと二人きりの日」
さらに真っ赤になるルークを掴まえたとルカは、耳にキスをした。
二人が席を離れた後、悪戯が成功したことを喜ぶように羽がひらりと舞って机に落ちた。
END
[
*prev] [
next#]