真愛2






「何?」
「スタンガン、何に使ってんの?」
「護身用だよ、スラム街物騒だから」
「ふーん、香水の移り香させてねぇ」
「…なんだよ」
「ポケットの大金、どうしたの?」
「っ…」

ルークが唇をつぐむとルカはゆっくりとため息をつく。

「おい!お前の連れか、そいつは!」
「だったら、何?」
「俺の金を盗ったんだ」

男は勘違いして、ルカの胸ぐらを掴んで吠える。

「いくら?」
「三万だ」
「うちの連れがご迷惑をおかけしました」

黒革の財布から三万と上乗せして男の手に乗せた。

「これで、許してくれよ、な?」
「…次からは気をつけろよ」
「サンキュー、兄ちゃん」

ひらひらと手を振ってルカは男を送り出すと、軽くため息を吐いてルークに向き直る。

「成る程ね、その護身用のスタンガンで気絶させたあとにお金とるってのが手口か」
「…」
「ふぅん、図星、ね…」
「逮捕、するの?」
「どうしようかっなぁ〜…」
考えこんで、ルカはルークの耳元で囁いた。

「俺の名前はルカ、俺が、今度からお前を買う…セックス一回三万…条件は、窃盗をやめる、俺以外から抱かれない、できる?」
「…、できる」
「いい子だ、ルーク」
「何で、名前…」
「さっきの女の子が言ってたろ、それより契約成立だ…俺にキスしてごらん」

ルカは、にやりと笑うと腕を組んだ。
こんな、往来で男が男にキスするなんて、ルークは顔を赤らめて鼻歌混じりに楽しそうな男の方を向く。
肩に手をそえるとルークは背伸びをした。

「ん」

ちゅ、と唇の右端にキスをするとルークはさっと離れる。

「違うだろ、キスは」
「えっ…」

手すりとルカの体でルークは挟まれた。
顎を掴まれ、半ば無理矢理上を見上げらせられる。

「あんなの、幼稚園児だってできる」
「ぁ、な…ンッ…」

するりと舌が入ってくる。
ルークの知らないキスだ。
「んっ、…んんっ!」

やだ。
皆、見てる。
こんなの、恥ずかしい。
恥ずかしいのに、きもちいい。

「ふ、ぅ…ぁ…」
「…鼻で息するんだよ」
「だ、て…こんな、しらな」
「セックスは、したことないの?」
「ない、よ…でも今日は払ってもらってるから、ちゃんと、する」

俯いたルークをルカは愛しく感じて、くちづける。
「じゃあ、してもらおうか」とルークの手を引いて歩きだした。











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