真愛1




「一回、三万…俺、すごく気持ちいいよ…よく言われるんだ、綺麗なピンク色だねって…あ、お金が先、やり逃げなんてされたら」

そこで少年はペロリと指を舐めて、中年の男性に腕を回した。

「ルーク、泣いちゃう」

財布から男が金を出すのと、電気がスパークするのはほぼ同時。

「ありがとう、おじさん」
「ルーク、そっちどう?」
「オッケー、アニスばっちり」
「うっし、それじゃ家に帰ろ!」
「うん!」

荒んだ世界は身分差をうみ、ルークたち未成年にとっては明日を生きるのに精一杯な程だ。

「シンク、イオン、フローリアン」
「お帰り、二人とも」
「ルーク?」
「うん、ちょっと疲れただけ、早く食って寝て明日もがんばろう」
「うん!」

本当はルークだってこんなことはしたくないが、生きるためだ。
いくら労働しても見合った賃金がもらえない。
大人にはもうずいぶん失望させられた。

(明日もがんばらなくちゃ)

身を寄せあってみんなと眠りについた。



「青少年犯罪ねー」
「多発してるみたいよ、実際被害届けはでてないみたいだけど」
「で、お兄様は俺にそれをやれと」
「パトロールね、頑張って」

軽く言われると、ルカは歩き出した。


「はぁ、めんどくせぇ」

ルカと呼ばれた青年はぐっと伸びをして欠伸をひとつだす。

「ただの厄介払いじゃねーか」

どっかで昼寝でもしようかと考えていると、前から二人の子供が走ってくる。

「ちょっと話、聞かせてくれる?」
「なっ、放せよ!」
「ルーク!」
「アニス、先行ってて」
「う、うん!」

警察証をだした男に、ルークは心配そうな顔をするアニスを送り出して、ルークはルカを睨む。










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