無題4




(影武者っていうか身代わり?)

ルカは小さくため息をついてグラスを傾ける。
とある貴族のパーティーに呼ばれたものの本人は行きたくないと言いはり代わりにルカがかり出されたのだ。

「ファブレ子爵、この度はお越しいただきありがとうございます」
「いえ、此方こそお招きいただきありがとうございます」
「噂通り緋色の髪に翡翠の瞳、本当にお美しい」
「いえ、そんなことは…」
「ご謙遜を…今日は子爵のために特別なシャンメリーをご用意させていただきました」

メイドが持ってきた新しいグラスには、綺麗なピンク色をしたシャンメリーが並々と注がれていた。

「ありがとう、ございます」

口にしては、まずい。
直感的にルカはそう思った。
けれど、ここで飲まなければ不信に思われてしまう。

(一口だけ…)

こくりと口に含めば、変に甘ったるくルカは思わず蒸せそうになる。

「お口に合いませんか?」
「いえ、大変美味しかったです…ただ、お料理の方もたくさんいただいてしまったのでお恥ずかしながらお腹いっぱいで」
「そうでしたか…」
「すみません、今日は疲れたのでこれで失礼します」

手を伸ばす伯爵を振り切り、ルカは足早に迎えにきていた馬車に戻っていく。

「ルカ」
「ガイ、出してくれ」
「あぁ、なんか具合悪そうだな、大丈夫か?」
「うん、大丈夫…」

ファブレ邸につくと、ルカは足早に部屋へと向かった。

「早かったな」
「…っ」

廊下でルークとぶつかるがそれどころじゃない。
体は熱いし、喉は渇くしとにかくどこかおかしくて早く部屋に戻りたかった。

「っ、ぅ…ぁっぃ…」

首を開けて服を緩めるとルカは忙しなく呼吸をする。

「おい、お前何悪いもん食ってきたんだよ」
「る、く…」
「おら、メイドから水もらってきたから呑め」
「やっ…」
「言うこときけよ」
「あっ!」

腕を掴まれてルカはびくりと体を振るわせた。
それだけでゾクゾクと背中電流が走る。

「ルカ」
「ルーク、やだぁ」
「あんだけ気を付けろって言っただろうが」
「ん…もとはといえばっ、ルークがちゃんと行かないからっ」
「なら、責任取ってやるよ」
「いいっ!放っておけば治る…」
「手っ取り早い方法で治してやる、遠慮すんなよ…すぐ楽になるぜ」

ニヤリと笑うとルークは、ルカをベッドに寝せると服を脱がせていく。

「いぃっから!はなし、てっ」
「これでも責任感じてるんだぜ…すぐ気持ちよくしてやるから」
「ん、んっ!やだっそれいやぁっ!!」
「あっ?どこがだよ、好きだろ、舐められんの」

下着ごとズボンも脱がすとルークはルカの内股から舐め上げる。

「んんっ!んぁっ!」
「ふ、…」
「ぁっあっ!」
「あの屋敷の親父はよ…有名なコレクターでな」
「んぅ…」
「珍しいものは人間だろうが、なんだろうが…殺してでもコレクションに欲しい」

王家直属の証。
美しい赤毛に、翡翠の瞳。
肌は絹のように美しく、老若男女が見惚れる程だ。








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