君と僕の夏休み3




「おはよう、ルカ」
「おはよう、ナタリア」
「どうかしら、ここの生活は?」
「うん、まだ慣れないことばっかりかな」
「そう、まぁ休みは長いからゆっくりね」

朝食の準備をしながらナタリアと会話をする。
ルークと話すのとはちがってぽんぽんと言葉が出てこない。

「でも、本当あなたが来てくれてからいいことばかりですわ」
「ぇ?」
「お天気が続くし、ルークの宿題も目標より早く終わっていくし、食事は楽しいし…あなたはとってもいい子だもの」

まっすぐ見つめられ、頭を撫でられるとルカは少しだけ目を伏せる。

「そんなことない、俺、別にいい子なんかじゃ、ないよ」
「どういうことかしら?」
「だって、俺、前までここ来たくなかったし、弟なんて生まれなきゃいいって、ちょっと思ったから」
「まぁ、前までってことは今はここに来て良かったと思ってるのよね?」

ナタリアの問いにこくりとルカは頷く。

「今は母さんにも元気な赤ちゃん生んでほしいって思ってる」
「そう、あなたはやっぱりいい子ですわ」
「…ありがとう」
「ルークを起こしてきてくくださる?」
「うん」

走って行く背中にナタリアは微笑んで、「今日も暑くなりそうですわ」と呟いた。









[*prev] [next#]






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -