13
「これくらいでいい、かな」
いつも通りの日課。
週に二日、ルークは主のいなくなった部屋を掃除している。
「シーツも新しくしいて」
よしと寝室から出ようとするとベッドの下にあったものに足をぶつける。
「痛…」
なんだこれとルークがベッドの下から箱を引っ張り出す。
「う、ルカさんの馬鹿っ」
入っていたのは、大量の所謂大人のおもちゃ。
中には、確かに使われたものもあって。
「わわゎ」
頭をぽかぽかと叩いてルークは顔は真っ赤になる。
するとタイミングよく、携帯が鳴ってルークは通話ボタンを押す。
「ルカさん!!!」
ちょうどよく、電話の相手は部屋の主。
『うわっ、なんだよ』
「なんてもの買い集めてるんですか!!!」
『はっ?』
「ベッドの下のです!!」
『あぁ……使った?』
ルークの問いに、問いで返してきたルカに絶句する。
「使うわけないでしょう!馬鹿!!ルカさんの馬鹿!!!」
『何でだよ、使ってみたらいいじゃん』
「嫌ですよ」
『だってずっとしてないだろ』
「…う」
言葉に詰まると電話の向こうで笑う気配がする。
『いいから、使って見ろって』
「は?なんで」
『ルークの可愛い声久しぶりに聞かせて…な、いいだろ?』
「…」
『ちゃんと教えてやるから』
「…ばか」
断りきれないのは惚れた弱みだと、ルークはさっきよりも小さな声で呟いた。
「ンッ、ん…」
『気持ちいい?』
「いく、ないっ…ん」
『嘘つき…部屋の姿見見てみろよ』
もう慣れてしまった部屋、ぱっと鏡を見れば真っ赤になった顔、体。
「やっ」
『どこも、綺麗なピンク色だろ』
「ルカさっ」
『目つぶるなよ…ほら、乳首も真っ赤だ』
「ひっん…」
『摘まんだら気持ちいいだろ…指舐めて触ってみ?舐められてるみたいでもっとよくなる』
右指を塗らしてから、言う通りにすれば甘い痺れが背筋を這う。
「あっ、ぁっ!」
強弱をつけて触れば、噛み殺せない程イヤらしい声が出る。
「ルカさ、ルカさぁんっ」
『気持ちいい?』
「うん、うんっ、きもち、いぃっ」
『ルーク、次…』
ローションで、花開かせた秘処にローターが埋まり猫の尻尾のようにコードが垂れる。
「きもち、わるぃ」
慣れない冷たい異物感にルークは目をギュッと閉じた。
『スイチ、入れて』
震える手でリモコンを握って操作すると中で、小さく震え始める。
「んんっ!!」
『ほら、あんまり締め付けるなって』
「むりっ!ひぃんっ!やだ、やっ」
『もう少し、奥に入れて』
言われた通り指を伸ばして震えるそれを奥にいれると声にならない声がでる。
『前立腺、好きだろ』
「ひきゃっ!あぁあっ!!」『ルーク』
「ひぅ!るかっるかさぁんっいっちゃいっちゃぅっ」『…っ』
「ぁあああぁんっ!!」
微弱な振動だけでルークは甲高い悲鳴を上げて顔を覆う。
「ん、はっ…るか、さん?」
電話がツーツーと音をたてていて、ああ切れてると思う前に部屋の扉が勢いよく開いた。
「ルカさん…」
「…ルーク…」
ギュッと抱きしめられて間違いなく本物だとその感触が告げる。
「あの、」
「ん?」
「これ、早くとって、体綺麗にしたい」
「だめ…今度は俺と」
「そんな、むりっ」
「無理じゃないだろ、ルーク」
深い口づけにくすぶっていた火が一気に燃え上がり、体が熱くなる。
「ん、ふっ!あふっ」
「ちゅ…ん、中ぐずぐず、おもちゃ、そんなによかった?」
「っばか、ばか!そんなわけあるはずない!!…ルカさんにされるのが一番…きもちいい…」
消えるような声のルークにくすりと笑って、おもちゃの入っていたそこに、自身をあてがう。
「ぁ…ぁあっ!あんっんんっ」
「ん、きつっ」
「や、おっき…だめぇ、おくまで、だめぇっ!!」
手でルカの腹をおしやるようにしても、全く意味をなさずズブズブとイヤらしい音をたててルークの中に飲み込まれていく。
「あ、あぁっ」
「ん、く…」
「ンンっ…ぁひっ」
体を折り畳まれるようにされ、ルークの目の前に結合部や自身がさらされる。
「だ、め、ふか、ぃ」
「いき、そ」
「んぁふっ、るかさっ」
「ルーク…」
「あ、あぁっひっひゃああぁっ!!」
きゅうぅっとルークの中が締まるとルカもその刺激で全てを吐き出した。
「ただいま、ルーク」
「…お帰りなさい」
「怒ってる?」
「怒ってます」
「機嫌直してよ、ルークちゃん」
「…じゃあ、キスしてください」
「お安いご用」
ルークを優しく抱き締めると柔らかくキスをして、少し息を吸うと今度は深く深くキスをした。
「お帰りなさい、ルカさん…帰る時ぐらい連絡ください」
「しようと思ったらルークがいきなりああやって怒るから、だからちょーっと悪戯したくなって、すみません」
「もう…、用事終わったんですか?」
「全部終わったよ、どこにも行かない」
少しだけ寂しそうな顔をしたルカをぎゅうっと抱き締める。
「明日、休み?」
「はい、明後日からです」
「じゃあ、デートしよう、な」
「喜んで!デパートで世界の紅茶フェアしてるんですよ、一緒に行きましょう、ルカさん」
「うん」
これでもかというくらい、くっつくとルカは小さくルークにありがとうと告げた。
END
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