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「ローズヒップティー?」
綺麗な紅色のお茶は、ガラスから透けてとても綺麗だ。
ルークは目を輝かせて、そのコップを見つめている。
「んー、残念!これはな「ラズベリーだ」
ルカの言葉を遮るようにアッシュが被せて答えを言ってしまった。
「顆粒をお湯で溶かしてあとは氷を入れてかき混ぜながらアイスにする」
「俺のセリフだぞ、アッシュ!」
「ホットも悪くないが、みんなアイスの方を気に入って期間限定で夏場だけ出してるものだ」
一通り説明が終わると、ルカはルークの前にコースターとそのグラスを出した。
「飲んだことなかっただろ、どうぞ」
「綺麗…飲むの勿体ない」
「いい飲み頃だ、そっちの方が勿体ないぞ」
「アッシュさん…ルカさんいただきます」
こくりと一口。
甘い味、それなのに爽やかで飲みやすく、ルークは思わず美味しいと呟いていた。
「どう?気に入った?」
「はい!とっても…甘くて美味しい…」
「…ルーク?」
「アッシュさんの髪の色ですね」
恥ずかしがることなく言ったルークにアッシュはさっと顔を赤くする。
「何照れてんだよ、ばか、人の嫁だぞ」
「誰が嫁ですか、ルカさんのがばかです」
「…今度は、ルークの髪に似た色のお茶を探そう」
「えっ、本当ですか?」
「あぁ、俺が探してやる」
カウンター越しにルークの頬に触れるだこのキスをしてアッシュは微笑んだ。
「アッシュてめぇ」
「なんだ、外国じゃ当たり前の文化だろ」
「ここの文化と混ぜんな!ルーク消毒だ!!」
そう言って頬どころか、唇めがけてキスをしてきたルカ。
力が強くてルークには抵抗出来ず奪われたままだ。
「ふぁっ、ばっばか!何してるんですか!!」
「何って消毒」
「アッシュさんはバイ菌ですか!」
「俺のたっぷりの愛情で洗い流してやるからな」
「ばからしい…」
アッシュはカウンターから出るとスタッフルームへと向かって歩き出してしまう。
「アッシュさん!約束!」
「…あぁ、約束だ、じゃあな」
ひらりと後ろ手をふってアッシュは行ってしまったがルークはどこか嬉しそうだ。
「俺だってルークのために探すぞ」
「それじゃあ、誰がお茶いれるんですか…ルカさんはアッシュさんが見つけたお茶を俺のためにいれてください」
「…了解、お姫様」
クスクスと笑いあうと、誰もいないことをいいことに、また二人はキスをした。
END
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