エレクトリックウェーブに乗せて




「ルカ先輩」
「どうぞ、我が家へ」

一人暮らしには、勿体ない程広い部屋だよなとルカはニコニコ笑っている。
確かに一人暮らしに2LDKは充分すぎる程だ。

「お邪魔します」

いつか来た時も思ったがとても整頓されてて、とても綺麗だった。

「先輩、部屋綺麗ですね」
「ルークが来るんだから慌てて片付けたんだよ」
「生理整頓が上手で羨ましいです、俺そういうのはだめなんですよね」
「料理はあんなに上手なのにな」
「…俺と先輩足して割ったらぴったり」
「…ルーク、今すごいこと言ったって自覚ある?」
「へ?」

ルカの深読みにルークは疑問符を浮かべている。
何でもない、忘れていいよと頭を撫でると菓子や飲み物を仲良く準備して、リビングでDVDの観賞を始めた。

「ひっ!」

ガシッとルカの腕にひっついてルークは小さい悲鳴をあげる。

「悪い、ホラーだめだったか?」
「いえ、見たかったらいいんですけど」
「いい、けど?」
「予想以上でした」

ちょいちょいとルークを手招きで呼ぶとルカは自分の足の間にルークを座らせる。

「先輩?」
「引っ付いてたらそんなに怖くないだろ」
「そうですね」

内心、うひゃああぁっ!なルークは心臓が早く、最早映画どころではない。

「ルーク」
「ひゃひっ!」

どんな返事と思わず自分で突っ込んでしまう程変な声がでた。

「なんで緊張してんだよ」
「せ、先輩のせいですっ!」
「まぁ、俺も緊張してるけどな」
「嘘っ」
「嘘じゃないって」

普通過ぎるルカに思わず、ルークは強めに声をあげてしまう。

「さっきから、心臓煩くて、自分のなんだか、ルークのなんだか、わかんないくらいだ」
「先輩」
「ルーク」

もうちょっとで唇がくっつきそうな時に、携帯が勢いよく震え始める。

「もしかして、アッシュ?」

震える携帯を開いたまま、ルークは無言でそれ以上に震えている。

「ルーク」
「ちゃんと先輩の所に止まるからって言ったのに」
「…大丈夫、俺は気にしないから…でも、流石にアッシュには黙っててもらおうな」
「ルカ先輩…」

まだルークの手の中で震える携帯の着信を電源ごと切ってしまう。

「後で、俺がちゃんと怒られておくから」

さらに自分のも電源を落とすと、ルカは仕切り直しと人差し指の背でルークの唇を撫でた。
静かに目を閉じた恋人を見届けて、ルカはキスをする。

「せんぱ、い…」
「言わなくても大丈夫だから」
「んっ…」

触れた所から、神経を伝わって広がる感覚。

「あ、あの先輩、映画」
「もう、なんかいいや」

それより、ルークだからと言えば、また真っ赤になって腕の中で静かになる。

「もっかい」
「ん」

唇に、溢れんばかりの好きを込めて。



END




お題配布元:夜風にまたがるニルバーナ










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