電波で伝わる愛もある
「先輩、じゃあ明日うかがいますね」
『うん、待ってる』
「楽しみにしててくださいね」
たわいもない、ルカとの通話時間。
もうそろそろ、口うるさい兄が扉を叩いて来る頃だ。
こっちはもっと先輩と話していたいのに。
『そろそろ、アッシュがくる頃じゃないか?』
「先輩…でも俺、もっとゆっくり先輩と話したい、から」
『俺も、もっと聞いてたいけど、明日はもっとゆっくり話できるから今日は寝よう、な』
柔らかい声にルークは心臓がきゅぅっと締め付けられるようで切なくなる。
「先輩」
『ん?』
通話口に向かってちゅっと軽く音をたてて口づける。
『ルーク…』
「そ、それじゃあおやすみなさい、先輩」
『明日』
「はい」
『覚悟しろよ』
「っ…喜んで」
熱っぽい声に小さな予感かがしてルークは素直に答えると、おやすみなさいと通話を切った。
END
お題配布元:夜風にまたがるニルバーナ
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