そのメールに殺された



どうしよう。
とにかく、やばい。
これはやってしまったというしか言い様がない。

(思いっきり、泣かれた)

まずったなと、ルカはため息をつく。
本当に一瞬、ルークが可愛いなで頭の中がいっぱいになって、思わずキスをしたら、びっくりしたルークが泣きながら走ってたというのが、事の経緯。

(額とか、頭とか、頬とか)

スキンシップの様なキスはしたけが確かに唇は今回が初めてだったなとルカは、携帯を取り出した。
とにかく、これは謝るしかない。

(驚かせてごめん、いや、怖がらせてごめん?)

ルークが泣きながら走っていった理由が全然思い付かなくて文面を打つ手が止まる。

(何やってんだ、俺)

余裕ないとか、欲求不満かとルカはベンチに腰かける。

(そのうちキス以上もしたいとか思うのか)

そしたらまたルークは泣くんだろうか。
うだうだ考えているうちに、携帯が震えてメールの受信を告げる。

「…っ…馬鹿だな…」

ルークからのメールは泣いて逃げてしまったことを詫びるものだった。
びっくりするくらい気持ちよくて、思わず、もっとと言いそうになって逃げてしまったという内容だった。

(なんだか生殺しだ)

行き場のないモヤモヤに苦笑するとルカはルークにメールを返した。



END





お題配布元:夜風にまたがるニルバーナ












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