メーデーメーデー、聞こえますか


ルークは走る。
兄であるアッシュを置いてかけていく。
間違いない、少し先を歩くのは大好きな先輩だ。

「先ぱっ」

ぱっぱっと青信号が赤信号に変わり、ルークは足踏みをする。
先輩は目と鼻の先の距離ほどにいるのに届かない。

(気づけー、気づけー)

歩行者専用ボタンを連打しながらルークは、ルカに向かって念を送る。
もうすぐ、信号が青になる。
自動車用の信号機が赤になった途端ルークは誰よりも早くその一歩を踏み出した。
すると、踏み出した瞬間にルカが振り返り、ルークを見つけたのか歩みを止めてまた来た道を少しずつ戻ってくる。

「先輩っ!!!」
「おはよ、ルーク」
「きづい、てくれたんです、か?」
「いや、なんかルークに呼ばれた気がしたから振り返ったんだ」
「そう、なんです、か」
「ほら、深呼吸、汗かいてるぜ?」

駆けてきたルークの呼吸を整えるようにゆっくりと歩き出す。

「俺、先輩な気づいてもらいたくて待ってる間ずっと気づいてって思ってたんです、そしたら、先輩振り向いてくれて」
「偶然でも嬉しいな」
「はい!」
「俺も、嬉しいよ…でも偶然っていつも重なる訳じゃねぇし、だから明日から向かえにいく」
「えっ、でも先輩遠回りじゃ」
「確かに俺が寝坊しそう…じゃあ駅の前で朝に待ち合わせるのはどうだ?」

二人の最寄り駅は同じ、距離も半々くらい。

「はい、ぜひ」

朝もこれで一緒、なんて幸せなんだとルークは満面の笑みを浮かべた。



応答、ありがとうございます。
今日も貴方が大好きです!


END



お題配布元:夜風にまたがるニルバーナ






[*prev] [next#]






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -