俺の兄貴 俺の弟

俺たちは対照的。

「委員長」
「はい」

答えたのは俺の双子の兄。

ぴっちりした眼鏡にキュッと締まったネクタイ。
どっかのサラリーマンか。

「ルーク、ルーク・フォン・ファブレ」
「あぁ?」

答えたのはもちろん自分。
兄とは違い、だらりと長い髪、開け放したシャツとゆるゆるのネクタイ。
なっ、あっちのルークとは違うだろ!



兄、短髪ルークは優等生。
真面目で勉強家。

弟、長髪ルークは不良。
不真面目で面倒くさがり。

「もう!ルーク!ちゃんとネクタイ締めて、シャツ出さない!」
「あぁ、苦しいからヤダぁ」
「怒られるの嫌だろう!」

「別にー聞き流すしぃ」
「ルーク」

落ちかけた眼鏡をくいっと上げて。

「お前が悪く言われるの嫌なんだよ…」
「うっ…」

しゅんと落ち込んだ顔。

(ぜってぇ…負けねぇ…)
「俺は気にしねぇもん」
「ルーク…どうしたら身なりだけでもちゃんとしてくれる?」


子首を傾げてルークは聞いた。

(反則…だよな)

ホントに、この馬鹿兄はこんなに顔近付けて。

「ぁ、ルっン…」
「…ん、」

おーおー目ぇ、白黒させてるし。

「ん、ゃ…っは」
「ごちそうさま」
「なっ、あっ」

最後にちゅっと音をたてて唇に吸い付くとぼーっとしている兄をおいてさっさと遠ざかる。
数秒後、眼鏡がずり落ちた兄が懸命に追い掛けてくるのはお見通しの事。



END







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