赤髪のサンタ

「ルーク、プレゼントくれよ」
「え…」

膝の上で寝そべっていた長髪の自分が言う。

「クリスマスじゃん、今日」
「そう、だけど…」
「俺、いい子にしてたしプレゼントくれよ」

ルークの手が頬を撫でて、短い俺の髪で遊ぶ。

「でも、俺何も準備してないよ」

くすぐったいのか、ルークは身を捩りながら答えた。

「おまえがいるじゃん」
「…それっていつもと変わんねぇし」

ルークが言うと「俺、一週間も我慢したんだけど」と不満そうな長髪。

「なぁ、赤い服の髭のおっさんなんて別にいいから、赤い髪の可愛いのサンタがベットに来てくれると嬉しいんだけど?」

腹筋で起き上がり耳にぴったりと唇を寄せて言う。

「ンっ…」
「なぁ、ルーク…」
「ん、もぉ…昼からこんな事しようとしてる俺らにサンタなんて来るわけないじゃん」

受け身態勢に入った短髪を、長髪ルークは抱き上げる。

「二人のイヴに、サンタクロースなんて不粋だし邪魔なだけだって…」

堕落しきった
クリスマス・イヴ。

「メリークリスマス、ルーク」

口付けと同時にはめられたリング。
ルークが気付くのは聖なる夜の鐘が鳴る頃。
二人分の体温で暖まりきったベットの中。
窓からは、止まない雪と輝く電飾。
それから絡まる二人の腕。


END








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