lesson5
『やぁだぁ、るかにぃちゃんといっしょがいいよぉ』
『しょうがないな、ほら、ルーク』
『おにぃちゃんだーいすき!』
ルーク、そう呟いてルカは目をあける。
すぐ傍には幸せそうな顔でふにゃふにゃ何か言っている可愛い従兄。
「可愛い」
寝ている間に、ルークの額や柔らかな頬、瞼に優しく唇をを当てた。
「ん、」
「おはよ、ルーク」
「おは、よ、にいちゃ」
ちゅ、と唇にキスをすれば腕の中でルークはビクリと震えた。
「唇、開いて」
「でも、朝だよ」
「キスに朝も夜も関係ないよ」
休日くらいいいだろとルカは、唇を開いたルークに大人のキスをプレゼントする。
「ふ、ぁ」
「ルーク…」
「や、だめ、明るいもん」
「恥ずかしい?」
「はずかしい、はずかしいから!」
「そ、でも止めない」
「えー!」
「この間言ったろ、優しい従兄のお兄ちゃんじゃなくなるって」
自分でもわかるくらい意地悪な顔をしている。
夢にまで見た時間を手に入れたのだ少しくらい堪能したって悪くないはずだ。
「ルカ兄も俺のこと好きだったの?」
「うん、大好きだよ」
「でも、中学の時は全然相手にしてくれなかった」
「誰かさんが、人の気も知らないで抱きついたりするからだろ?」
ルカはルークの頬を両手で押さえて額を合わせる。
「あの時は俺だって我慢できる自信がなかったんだよ、今間違ったら一生もう触れなくなると思ったからな」
「我慢させてた?」
「すごく」
「ルカ兄…」
「でも、今は三年間はルークを俺の傍に置いておける、ゆっくり口説き落とすつもりだったけど」
「…」
「その必要、なくなったしな」
なんて満たされる休日なんだとルークを腕から放そうとしない。
「俺も、恥ずかしいけどいっぱい兄ちゃんとキスしたいよ」
「うん、いっぱいしような」
甘い甘い密日を邪魔するような人は誰もいない。
二人だけの部屋に差し込む柔らかな光は幸せいっぱいの彼らを祝福していた。
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