lesson4




「先生」
「帰ろうか、職員玄関の方にいて車回してくるから」
「うん」

ぐしゃぐしゃの顔のルークを見れば、そんな顔をさせた原因を思い出してルカは少し乱暴にハンドルをきる。
ルークを乗せて、帰りは無言で車を走らせた。

「ルーク」
「お兄ちゃ、ん」
「何されたの?」
「言わないと、だめ?」
「別にいいんだけど…ここ、どうなってるか見た?」
「え?」
「気づいてなかったか」

痕がついていると言えば、ルークは真っ赤になって涙を浮かべる。

「あ、あのね!お兄ちゃん」
「しぃー、何も言わなくていいよ、ルークのせいじゃないって分かってるから」

首筋で音がする。
なにが起こっているのか頭がついていかないルークは、すっかり固まっている。

「消毒、な」

ちゅ、ちゅ、と軽い音にくすぐったさが混ざる。

「ルカ、兄」
「俺の大事なルーク」
「そんな、こと言ったら、だめ」
「どうして?」
「どうして、も」
「期待しちゃう?」

先ほどとはうってかわって、意地悪な笑み浮かべたルカ。
頷きかけたルークは目を白黒させている。

「いいよ、期待して…その代わり、優しい従兄のお兄さんじゃなくなるぜ?」
「それでもいい、ずっと好きだった」
「ルーク」
「ルカ兄」

甘い期待を唇に乗せて、二人はゆっくりとキスをした。










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