lesson3




「行きたくない」
「仕方ないよ、ルーク」
「がんばれ」

ファブレ先生に課題を集め持ってくるように言われ、ルークは気分が重い。
人数分を集めるとよろけながら、それを教諭室に運ぶ。

「失礼します」
「入れ」

片手でなんとか持って扉を開ければ、アッシュは席に座っていた。

「そこに置いてくれ」
「はい」

背伸びをしてやっと届くかの場所に、ルークは何度かに分けて乗せて行こうとするが。

「届かないか」
「すみません」
「いや、いい」

ルークの後ろに立つアッシュ。
余りいい感じはしない。

「あの、先生、俺、邪魔だろうしよけますから」
「別に邪魔じゃない」
「でもっ」
「俺に後ろに立たれるのは嫌か?」

耳元で囁くように耳に吹き込まれ首に痛みが走る、ぴくんっとルークの体が跳ねた。

「理由を言ってみなさい」
「ぅ、せん、せ」
「言えないのか?」
「あ、の」

顎から、首の方を撫でられて顔が熱で赤くなるのが嫌でもわかる。

「ボタンを外すのは校則違反だ」

胸元までそのまま撫でられて、ルークはぱっと脇の方に逃げ出した。

「こ、今度から気をつけます、すみませんでした!失礼しますっ」

怖くて、怖くて、ルークが無意識に向かったのは、保健室だった。

「先生っ」
「うおっ、ルーク?」

丁度、保健室から出てきたルカにルークは飛び込んだ。
安心する体温に抱きついて、ぼろぼろと涙を溢す。

「今日、一緒に帰ろうか、保健室で待ってていいから鞄持っておいで」
「うんっ」

ルークと別れた後、ルカはズカズカとあるところに向かう。
ノックをしてから中の返事も待たずに開ける。

「何だ…お前か」
「何だじゃねぇよ、困りますよ、ファブレ先生、気まぐれでうちの可愛い子にちょっかいだされたら」
「あぁ、随分大人しい上にあまりに素直で興醒めした」
「興醒めしたという割には、ご丁寧に所有印までつけていただいて」

見えない火花が散って、ルカは静かに口を開く。

「今度何かしたらわかってんだろうな」
「肝に銘じておこう、先生」
「そうしておいていただけると助かります、服の下に大きな痣作りたくないでしょう?」

静かに脅すと、扉を強めに閉めてルカは保健室に戻っていった。







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テーマ「人外ファンタジー」
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