lesson2





(身がもたない)

始終心臓がバクバクしておかしくなりそうだ。

「ルーク、大丈夫ですか?」
「イオン、大丈夫だよ、ちょっと疲れただけ」
「ちょっと、ルーク!」
「何、アニス?」
「二年生に、そっくりな人がいるってすごい噂になってるよ、名前も同じだって!」
「知らないよー、同姓同名に他人の空似だろ、珍しくないよ、今時」
「確かに、似てましたけどルークの方が幼いですよ」
「あっちの方が年上なんだから当たり前だろ」

盛り上がっていると予鈴がなり、ルカよりもずっと濃い紅い髪をした先生が入ってくる。

「理科総合Aを担当するアッシュ・フォン・ファブレだ、出席をとるぞ」

何故か、この先生はルークをじろじろとよく見てきた。初めて受けても授業はわかりやすい思うのに、ルークはどこか苦手だと小さくため息を吐いた。

「あ」
「ルーク?」
「ごめん、俺ちょっと保健室行ってくる!」
「ケガでもしたの?」
「う、うん、ささくれ痛くて、絆創膏貰ってくる!」

何故かカバンを持って走り出したルークに首を傾げながらも、みんなは見送った。

(ルカ兄ちゃんの分まで、箸もってきちゃった!俺の馬鹿!)

学校じゃなるべく関わらないようにと思っていたのに、早々にこんな失敗とルークは保健室のドアをノックした。

「はい、どうぞ」

中から返事に失礼しますと声をかけてから、ルークは保健室に入る。

「あれ、ルークどした?」
「箸、お弁当に入れ忘れちゃっててないと困ると思って」
「箸、学校に置いてあるから、よかったのに」
「えっ!ごごご、ごめん、俺ってば、そうだよ、先生なのに学校に箸くらいあるよね!」
「けど、わざわざありがと」
「うん…」
「時間ないしここで昼食べてけ、お茶でいいだろ」
「ありがとう、先生」

お弁当を広げたルークは、ルカからお茶を受け取りパクパクと食べて行く。

「授業どう?」
「うん、楽しい、けど」

ファブレ先生の視線を思い出してルークは顔をしかめる。

「理科総合の先生が、なんか、苦手」
「ファブレ先生?」
「気のせいだと思うんだけど、なんか授業中ずっとじろじろ見られてて」
「そっか、よしよし」
「ねぇ、二年生に俺と凄く似てる人がいるって、そんなに似てる?」
「確かにパッと見は似てるかもしれないけど、身長もルークの方が小さいし、ずっと可愛いよ」
「も、もうそういうことじゃないんだってばー」

頬を赤らめる様子も可愛くてルカはニッコリと微笑んだ。









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