サミシイ

「お前だって置いてくくせに」

憎悪の籠もった自分と同じ翡翠色の目。

「ちがっ…俺は…」
「ムカつく、気持ちいいだろう?…回りに囲まれてぬくぬくして」

ルークが俺の両腕を掴む。

「んっ…!!」

信じらんね。
なんでキスなんか。

「やめっ!ぃやだ…ぁ」
「黙れよ、でないと痛くするぜ?」
「ぅあっ…んんっぁ」

肌なでられて、嫌というほどキスされて。

「今は誰に慰めてもらってんだ?ガイ?ジェイド?アッシュ?それともマルクトの皇帝?」
「んァ…やぁ、ふぁぁ」
「嫌がるわりには…」
「だめっだめぇっ!!」

どくんっ

「感じてっけど?」
「はぁ…ん、は…」

なんて、淋しい。
なんて淋しい昔の俺。
首に両腕を回して。

「置いてかない…全部、俺だから」
「ルーク…」
「淋しくさせてごめん」
「…るーく」
「しよう、ネっ?」

自分とセックス。
なんか、変、だけど…だけどそれは気持ち良くて溶けそうになる。
いや、本当に溶けてるのかも。

「ふぁ、あ…ひっぁあ!!」
「っ…く…!!」

境界線なんて曖昧で、溶けて混ざりあう俺たち。

身体も心も何もかも。



END








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