海だけが見ていた
「っ」
ルークは恐る恐る隣を見た。
大好きなルカがそこにはいる、夢ではない。
それから布団の中を見てルークはホッとする。
「よかった…」
きちんと着てるし、はいてた。
きっとルカが何もかもしてくれたのだろう。
(俺、ついに先輩と)
顔が真っ赤になるのが嫌でもわかる。
恥ずかしい、恥ずかしいけど嬉しい。
(目が覚めたら何て言ったらいい?まずはおはようございます?)
上掛けに顔を埋めてうんうんと唸り、ルークは赤くなったり青くなったりしている。
(どうしよう…)
カーテンの隙間から朝日がルークの顔を照らし、昨日と同じく穏やかな海が見えた。
「ルーク」
「先輩…」
「おはよ、でもまだ早い」
「へ?」
半分寝ぼけたルカが、ルークを半ば、無理矢理抱き枕のようにベッドへと引きずり戻した。
「…先輩?」
また、スースーと寝息が聞こえてルカは完璧に眠りに落ちたらしい。
今までうんうんと悩んでいたのが、馬鹿らしくなってルークもルカと同じように目を閉じた。
END
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