裸足で駆けるきみ



「おうおう元気だねー」
「そういうお前はいいのか?」
「何が?」
「何がじゃねぇ、この屑!」
「なんでアッシュに怒られなきゃいけないんだよ」

アッシュとルカは浜辺に座って、海で遊んでいるルークと同じ学年の友達だ。

「ちゃんと、保護者のガイはいるし、アッシュもいるし、ルークの友達もいるし、俺とルーク二人きりじゃないからいいだろ?」

例のごとく、泊まりに行くと言ったら近場の海といえ、二人きりなど許さんとアッシュ。
旧友であり数学担当のガイ、それからルークの友人、ティア、ナタリア、アニスの三人組の女の子と、三つ子の男の子のシンク、イオン、フローリアンと仕方なくアッシュを連れてきたのだ。

「女の子がいると眩しいな」
「お前、ルークというものがありながら!」
「いや、ルークが一番可愛いし」
「せんぱーい!!」

海から上がって二人に向かって走ってくるルークも、負けないくらい眩しい。

「ティアたち休憩するって、だから、俺と遊んでください!」
「いいよ」

シャツを脱ぐとアッシュが吠えるのを無視し、ルークと、片手に浮き輪を持って海へとゆっくり入っていた。

「俺、浮き輪ですか」
「俺があんまり泳ぐの得意じゃないしな、何かあったら大変だろ、ちょっと深いところまで行ってみたいしな」

パチンとウィンクをしたルカにルークは大きく頷いた。

「みんなあーんなに小さい」
「そうだな」
「先輩、どうしてさっき浜で遊んでくれなかったんですか?」
「ルークが浜辺走ってる足綺麗だなって思ってずっと眺めてたい衝動にかられたから」
「先輩…」
「俺、変態かもなぁ」

苦笑しながら言うルカに、ルークは小さく笑う。

「それならさっき、先輩がシャツ脱いだ時、俺もすごくドキドキしました…ルカ先輩」
「…アッシュから見えないといいけど」
「ん…」

少し深めのキスは、いつもよりずっとしょっぱかった。



END








お題配布元 確かに恋だった








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