after story2





「ただいま」
「お帰り、二人とも…ルークの機嫌がずいぶん悪そうだけど、どうかしたのか?」
「それは…」

ばつが悪そうにルカが渋ると、ルークがガイに駆け寄って抱きついた。

「聞いてくれる、ガイ?」
「あぁ、どうしたんだ?」

今のルークには、娼婦をしていた記憶はないが媚びる姿はまんまだとガイは思う。
蠱惑的な瞳は熱っぽく語る。

「ルカくんてば、助けたレプリカにキスしたんだよ!
俺がいながら!もう信じられない」
「だから、それは泣き止まねぇから」
「だからって普通キスする?知らない、ルカくんのバカ」

ガイの腕の中でルークはルカをなじった。

「ほら、ルーク拗ねるなよ、そんなにして欲しいなら俺がしてやるから」
「むぅ」

唇は完璧ルカの怒りに触れるので頬や額に口づけガイはルークを宥め、くしゃくしゃと頭を撫でる。

「ルカはレプリカを見るとルークと重なるんだよ」
「ぇ?」
「おい!ガイ!!!」
「昔からルークのこと世話してきたからな、泣かれたりするとルークに重なるんじゃないか?…なぁ、ルカ」

すごくいい笑顔でガイは言い放つ。
あぁ、今すぐ殴りたいとルカは羞恥で顔を真っ赤にしていた。

「ルカくん」
「ふ、ふんっ…」
「さぁ、二人とも一緒に湯浴みしてこいよ」
「うん、行こう!ルカくん」

機嫌の治ったルークはルカを引っ張って風呂場へと連れていった。

「ルカくん、血だらけ」
「お前みてぇに綺麗に戦えねぇな」
「脱いで脱いで」
「わかったよ」

こんなやりとりは日常茶飯事。
互いに互いの服を脱がせあって生まれたままの姿で湯船に浸かる。
薔薇の花が散らせてあるのはガイではなくアニスの趣味だった。
安易だが、ゴージャスな気分を味わえるらしい。

「ルカく、ん…」
「うん?」
「…意地悪」

キスをねだっていることぐらいルカだって分かっている。
唇を優しく撫でたあと、目を閉じたルークにくちづけ、ピンクに色づいた胸を指先で擽った。

「ふ、ぁっ」
「…明日、墓参りに行く」
「んっ、だれ、の?」
「俺の兄貴の」
「あぁっ!ルカく、ンン!」
「どうしようもない兄貴だったけど最近あいつの気持ちがよく分かるよ」

ルカの表情に影ができる。
時折見せる彼の様子は、ルークを少しだけ不安にさせた。

「でも、ルカくんとお兄さんは違うよ」
「もちろん、俺はルークがいる限り道を踏み外したりしないさ…それに、もうここまで踏み外してるんだ、外しようがないだろ」
「それはそうだね」

ふふ、と笑ったルークを腕の中に抱き止め浮いた花びらを弄ぶ。

「俺がずっと一緒にいるよ」
「ああ、今度は信じてる…お前がいるから俺でいられるよ、ルーク」

そうでなきゃ、きっと今頃アッシュと同じ道を辿る運命だっただろう。


交わすキスはいつまでも甘く、優しいものでルカもルークも没頭していった。






END











お前がいる限り、俺は俺だから。












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