22
「へぇ、お兄様も刀か」
「気持悪いな」
「さぁ、お喋りはこんくらいで充分、」
アッシュの右手の銃から何度も弾丸が放たれる。
「当たんねぇっつの」
剣先で弾道を外すと、ルカは刀を振るう。
「つ、」
「アンタ、案外遅いな」
ハラハラと落ちた紅い髪は風に吹かれてどこかに飛んでしまった。
ニィッと笑うと、どちらも同じタイミングでまた剣が交りあう。
「!!」
「ルークのみよう見真似じゃ、うまく出来ねぇな」
ルカの指からアッシュの足を絡めるように糸が伸びる。
「これで終りだあぁっ」
「そう簡単に行くか」
右足が切れることも構わず、アッシュは横に跳び銃を構える。
「どうやら俺の勝ちのようだな…」
「どういう意味だよ」
ぐっと、アッシュが左胸を押さえる。
「お前まさかっ」
ルカに向けていた銃口をこめかみに当てるとアッシュは、笑って引金を引き、とてもあっけなく終幕を迎えてしまった。
「く、そおぉおぉ!!!」
倒れたアッシュ、広がる血溜りを見るとやり場のない思いが込みあげる。
ルカの叫ぶ声が響いて空に飲み込まれて消えていった。
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