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「どういう意味だ」
「何がだよ…」
「自由とはどういうことだ」
「教えて欲しいってか?」

ルカは、べっとりと血のついたルークの頬に舌を這わせ舐めあげる。

「お前の弟、ルークは今死んだんだよ」
「どういうことだ」
「良いこと一つ教えてやる」

そっと、ルークの体を横たえてルカは刀から流れる血をピッと払い、アッシュを睨む。


「お前の弟はお前と同じで心臓が悪かった、どうせ ファブレ家には男子は二人もいらないからな、とある男に渡した」
「…」
「そこにいるジェイドだよ」

指を差した先の男は表情筋を動かすことなく、佇む。
ガイは一歩も動くことなくじって見ている。

「愚かなルークは言ったんだぜ、死にたくないって…そうしたらアイツは一言だけ、そうですかって言って人工心臓の実験体にしたんだ、ルークを」
「だからだというのか」
「あぁ、お前が殺したレプリカの心臓は本物、てめぇが愛した弟をてめぇの手で殺したんだ、ざまぁねぇな」

早口でルカはまくしたてる。
笑いと涙が同時にこみあげてきたが声帯はつむぐのを止めない。

「器だけの弟がほしいか?
心臓がない俺はある意味セクサロイドより厄介ぜ?…心臓だけ取っ替えりゃあ、てめぇの首咬みきってやれるからなぁ」

だから、レプリカであるがルークには"禁忌"がなかった。
普通だったら、生身の人間を傷つけようとするレプリカは壊れるか、思考回路がショートしてしまう。

「さぁ、殺してやるよ」
「…面白い」

殺気で背筋がビリビリする。
この感じ、どちらにとっても心地いいくらいだ。
今は、ルークの絶命を悲しむよりも、すべきことがある。

(殺す、殺す、殺してやる)

戦う前の暗示のようなものだ。
早いテンポの曲を身体中に巡らせて右足をタンタンと踏むと駆け出す。

「悪くない」

アッシュが呟くとルカよりも短い刀を抜いた。














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