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「大佐、伝令が」
「ファブレ邸が放火されましたか…」
「はい…」

ジェイドは一度、眼鏡のズレを直すと窓際に座っていたルカを振り返る。

「時間です」
「あぁ」

革素材の手袋をはめるとルカは愛刀を持つ。
刃こぼれの激しい自分の刀。
これはルークがくれた一本でルカは永くこの刀を使ってきた。

(これで、ルークと殺り合うなんてな)

でも今は感傷に浸っている場合ではない。

(ルークを取り戻す…)

俺の隣に。

「ルカ」
「分かってるよ、アッシュには別にダアトの意識はない、そう言いたいんだろ」
「知っていたならいいんです」
「大人ってなんでも別の名義が必要で大変だな」
「…」
「アッシュの目的は俺と、この世界だ…大方、どっかの馬鹿デッカイ国の作った兵器でも使って復讐でもしたいんじゃないか?」
「隠しごとはするもんじゃありませんね」

目を伏せてジェイドは溜め息をついた。

「しかも、本人を殺らないといけない段階まで来てる…悪いけど、俺の目的はアッシュじゃない。ルークだからな」

ふんと、ルカは一度鼻を鳴らすと、ジェイドを背に歩きだした。















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