お菓子と紅茶と彼が好き




持ち歩くのは金平糖。
制服のポケットには色とりどりの飴玉。

「これ、ルカちゃんの目の色」
「えぇ、そうですね」
「これ、髪の色」
「おや、それは私の目の色じゃありませんか?」
「違う、これはルカちゃんの色なのっ」

ぷくぅっと頬を膨らませたルークにジェイドはくすくすと笑う。

「貴方は本当に彼が好きですね」
「うん、ルカちゃんはローレライの加護を受けてて滅多にいない存在なんだよ」
「おや、レアだから好きなのですか?」

少し意地悪な口調で言えば、ルークはぶんぶんと首をふった。

「先生なんかに教えませーん、でもルカちゃんは俺の気持ち全部知ってるよ」

「それはそれはルークとは放課後何度も逢瀬を重ねてきたはずなんですがねぇ」
「冗談、ここは15時のお茶会の会場です」
「おやおや、それは残念」
「でも先生の淹れてくれる紅茶は大好き」
「男を二人も手玉にとって悪い子ですねぇ」
「ふふ、俺はルカちゃんが好きなんです、先生ごちそうさまっ」

最後のクッキーをひょいっと口に入れるとルークはぬいぐるみを抱えて保健室から出ていった。


お菓子と紅茶と彼が好き



END









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