とりあえずレムレスのおかげで、なんとかフォレノワールを作り終えた。
……まだバランスが崩れている気がするけれど気にしたら負けだよね。
「さて、そろそろ帰るよ、またね」
「あー…ありがとうございました!」
ふう……。
クリスマスケーキの練習は終わった。
ツリーは余った時間で大体作り終えている…はず。
部屋を見回す。今のところ誰もいない。
これでやっと一段落だ!
ピンポーン♪
あれ、チャイムが鳴ってる。
「はーい……」
「フェノちゃーん?」
明るい声が聞こえてきた。あ…コイツのことすっかり忘れてた!
しかもいきなり入ってこないで!!
「あれー、ホントはみんないた方がいいんだけど…いっか。フェノちゃん一人だもん」
え、何これ。
たしかにたった一人。いや、目の前の黒い悪魔――もといエコロ――も数えて二人。
まずい、それもかなり。
「へー…かなり出来ているんだね。フェノちゃんに頼んで正解だったよ」
「勝手にいじらないでよ!」
飾りに手を出すエコロを必死に止める。
「まだ準備中。だから帰って」
「じゃあ手伝うよ」
「悪いけれど大丈夫だから」
「えー遊び足りないし、フェノちゃんも休憩しなよ」
「でも……」
正直、ここ最近休めてない。
第一エコロのせいでこうなったんだよ!?
こうなったら……。そこで私は身構える。
「あれ、そうくる?まぁ、いいや」
目を細めて笑顔を見せる。
ここは一旦退却してもらおうかな!
「あはは……休憩として…レッツ?」
「ぷよ勝負!」
しばらくエコロとのバトルが二戦ほど。
結局負けちゃったけれどエコロは満足そうに帰っていった。そこで気づく。
「へ…部屋の中がごちゃごちゃに!!」
ケーキは無事だったけれどこれ、戻さなくちゃ!!
とりあえず一人で片付けなおし、なんとかなった。
あとは……。
私は壁際においてあった包装紙や箱に目を留める。
これも中途半端に終わってる。
せっかくサンタクロースになるんだから、と思って準備したみんなへのプレゼント。
でもこれだけの量をどうしろと?私一人で。
ピンポーン♪
……また?今度は誰…
「やぁ、フェノ。仕事は順調かな?」
「く…クルーク!?」
「何だい、その包装紙」
「あっ」
そういえばさっきのやつ持ったままだった。
「プレゼント用だね?まったく……僕も手伝って上げるよ」
「フェノ、リボンがたてむすびだよ!」
「ちょっ、包んでる最中にそんなこと言わないで!」
「これ、中身が空っぽだよ?」
「たしか…それを入れておいて!」
「どうして、ほうっておいたのさ」
「う、うるさい…!」
なんだかんだで全て作り終え、袋にも詰めておいた。
けれど、もしここでクルークが来ていなかったら今頃……。
そう考えると身震いする。
「フェノ、僕に感謝してくれよな!」
「うん、ありがとう!クルーク!!」
「なっ、何で急に素直になるんだよ……」
窓の外は夜。いつの間にか真夜中を過ぎようとしていた。
クリスマスまであと三日!
ふはははは。
ちゃんと書けていることを願う。
(6/8)
title bkm?
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