緑のクリスマスカードの記す先へ



「えーっとここかな」

受け取ったカードには、公園で待って欲しいと書いてあった。
雪が積もっていたから手でそっと落としてベンチに座る。

時間になる少し前にその人は現れた。
深緑色の帽子、コメットのついたステッキ。

「……レムレス?」

どう見たって見間違えようがない。あれは絶対レムレスだ。

「ゴメンね、待ったかな?」
「大丈夫です」
「よかった」

彗星の魔導士はにっこり頷くと、どこからかカップを一つ取り出した。

「さぁ、フェノ。これでも飲んでくれ」
「あの、これなんですか」
「大丈夫、変なモノは入ってないよ」

質問の答えになっていない気がしたけれど、言われるままに飲んでみた。
口の中に甘い味が暖かく広がっていく。
これは……ホットココア?
レムレスにしては珍しく少し甘さが控えめになっている。

「フェノの好みに合わせてみたんだけど、どうかな?」
「とってもおいしいし、丁度良いです!!」
「それは良かった」

ふと、レムレスの手元を見る。

「レムレスの分はないんですか?」
「あるよ」
「どこに…?」

そこまで聞いて喋れなくなった。
そりゃそうだ。
唇をふさがれちゃ喋れな……ん?

「――!!」

え?え?ど、どういうことなの!?
しばらくしてようやく喋れるようになった。

「ちょっとレムレス、いきなりそれはないよね!?」
「いいんじゃないかなー…なんてね」

そこで私が持っていたカップを手にとって、少ししかない中身を飲み干した。
そしてどこかにしまう。

「フェノ、僕は君のことが好きなんだ。返事は後日でいいよ」

思いがけない告白に私は言葉を失う。
去っていく彗星の魔導士は最後に振り向く。


「フェノ、また明日ね」


……意識を飛ばす気ですか。







終わりです。
何やってるんですかね、自分。
オチがなくてスミマセン!!

ではでは。

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(4/7)
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