「ん……」
あれ、どこだ、ここ。
無限に広がる真っ暗な闇。
……状況を整理しよう。
・今日図書室でクルークといろいろあったあと、帰宅。
・やることやってベッドに潜り込む。
・寝る。
ここまでしか覚えてない。
ということは……ここは夢の中?
いくら何でも暗すぎる。
このまま進んでもいいけれど、戻れる気もしない。
踏み出した瞬間、どこかに堕ちて戻ってこられないのではないか。
そんな場所で……私はどうしろと?
ほっぺたをつねってみる。
痛いだけで夢から覚めそうもない。
「えーと……」
独り言を言っても虚空にむなしく響くだけ。
闇に目が慣れるかな……なんて思ったけれど、そうなる気配がない。
自分の手すら見えない。
……なんだか寂しくなってきた。
誰か、誰かいないの?
ねぇ、誰でもいいよ……誰か、返事をして!!
――嫌あああぁぁぁあああぁぁああぁあぁあ!!――
そこで跳ね起きた。
自分でも驚くほど呼吸が荒い。
とりあえず整える。
窓の外はまだ真っ暗だ。
時計を見ると午前二時を指していた。
もう一度寝ようかな。
そう思った瞬間、眠りに落ちた。
また来てしまった、あの底なし闇に。
やっぱり誰もいない。
どうして?私何かした?
自問自答しようが答えは出てこない。
思い切って歩を進めてみようか。
何か分かるかもしれない。
思い切って歩き出す。
何も起こらない。
もっと進む。
その瞬間、一つの椅子が闇から現れた。
「何故こんな所に椅子が?」
私は不思議に思いながらもそこに近づく。
一人用の大きく、どこか見たことあるような椅子。
あぁ、あれだ。図書館の椅子だ。
でも何故こんな所に?
分かりもしない。
せっかくなので座ってみる。
刹那、背後に何者かの気配がする。
「誰!?」
たしかに一人は寂しい。
だからといって急に現れたら誰でも驚くよ!?
「誰なの……?」
背後の気配は消えない。
視界の隅に何かがちらちら映っている。
「……応えよ」
……え?
「汝は我を目覚めさせた。さぁ、応えよ」
そこで記憶は途切れた。
だけど、どうしようもなく愛しい感じがした。
……それは感覚の誤作動だろうか。
いずれにせよ、私はその人を知っている気がした。
…………………………
オチなんか知らない。
何故か乱入者がいるけれど気にしたら負ける気がする。
次、任せました。
(2/2)
title bkm?
home