ツンデレメガネと敏感少女・前編(にしの様リク・クルーク)


私の名前はナマエ。
この学校に通う生徒の一人。

「ねぇ、ナマエ!このあとの天気はどうなるの?」
「そうだね……そろそろ雨が降るかと」
「でも、今は晴れだよ?」
「あれー、雨だー」
「うわっ、ナマエの言うとおりだ!!」

リデルよりは鋭くないが、何となくのことなら当たる。
あくまで、『なんとなく』だ。

「ありがとう、ナマエ!!そうだ、シグ、ぷよ勝負しよう!!」
「ぷよで勝負だー」

アミティとシグは私の元を離れる。
まぁ、本当に『なんとなく』だから、完全に分かるとは限らない。
そりゃあ外すことだってある。
……人間ですから。

「ねぇ聞いた?あの秀才の話」

私の席の近くで話し声が聞こえてくる。

「何それー?」
「なんでも、ナマエのことが好きだとか…!」

あぁ、その話か。
自分自身、そのことには前から気がついていた。
最初はそれが信じられなかった。自分を疑うほどにだ。
だけど、いつも物事に集中しているあの秀才が、妙に親切になったり、イタズラしたりするその態度で確信した。
まぁ、自分としては嫌いでもないし、だからといって恋愛感情として好きかと聞かれるとどう答えていいかわからなくなる。
……そこだけどうにかなればなぁ。

私は窓の方を見る。そこには本に熱中している人の姿があった。
……聞こえてないのかな、クルーク。



そんなクルークに廊下でばったり出くわすなんて思っても見なかったよ!!
しかもちょっと急ぎ足だし。
こっち図書室に向かうルートでもないし。
なにかある!?
いや、ひとまず冷静を装うとしよう。

「どうしたんだい、ナマエ」
「いいえ、特に何も」
「君って本当に不思議なヤツだ」
「どういうこと?」
「さっきから表情を変えたかと思えば急に静かになったり。まったく……」

いや、そんなに変な顔してた?否、していない。

「そんなことより、行くところがあるんじゃないの?」
「ああああああああっ!!」

うるさいし、普通そこまで驚くか!?
今ガラスが割れるんじゃないかと思ったよ!?

「アコール先生に呼ばれていたんだった!それじゃあ失礼するよ!!」

流石秀才。急いでいても廊下を歩く。
まぁ、いいや。どうせ暇だし。
私は図書室へ向けて足を進めた。

途中見た窓ガラスにはヒビが入っていた。
……さっきのではないと思いたい。



「到着…っと」

幸い図書室は人の気配が少なかった。
こういう静かな空間は嫌いじゃない。むしろ好きなくらいだ。
私はいつもの本棚に歩み寄る。
心理学、小説、ぷよぷよについての歴史などなど。

「そうだなぁ……あっ」

ぷよの積み方(応用編)だ。
そう思って手を伸ばした瞬間、横から手が現れた。

「「えっ!?」」

同じように声を上げてしまった。
そりゃそうだ。


相手がクルークだったのだから。



==========
朽ち果てた。
もはやギャグではありませんね。
遅くなってしまって申し訳ありませんでした!!


それでは後編で。




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(8/9)
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