モノクロじゃないオセロ(赤ぷよ様リク・Wクルーク+α)


何、この面倒な状況は。
背中を冷や汗が伝う。実際そうでもないけど。
右手に紅、左手に紫。

……どういうこと、ですか。

「ねえクルーク、これは一体どういうことかな」
「どういうこと、って決まってるじゃないか。キミとボクが二人でデートをしているだけじゃないか。あっちの紅さんは知らないけどね」
「だからってなんでいでででであやクルさん手の皮抓らないで」
「邪魔なのは貴様の方だ。こいつは私の従属だと言った筈だ」
「そんなの聞いてないね。ナマエがボクの恋人、っていうのだけは知ってるけど」
「よし分かったあんたら少し黙れ」

冗談じゃない、私が誰の従属で誰の恋人だって?
どうやら私は相当厄介な場面に遭遇(?)してしまったらしい。
確かに私は約束したよ。クルークと二人っきりで遊びに行くって。
でもなんでこの魔物までオプションで付いてくるんだ。もう私泣くよ。泣かないけど

「ナマエ、はやくそいつの手を解き私と共に来い。さもなくば一週間自宅監禁するぞ」
「おっと、ボクの手を離したらどうなるか分かるよね?」

片方が私を引っ張ろうとすると、もう片方が私の手を強く握りしめる。
そうすると、今度はそのもう片方が私を引き寄せる。
正直私は三人で行くのでもいいんだけどな……どうせ行く場所同じなんだろうし。
ただ、この人たちは二人っきりではないと嫌らしく。それならお前ら二人で行けっての
でもそんなことをこのいがみ合い始めた二人の前でさらりと言えるわけが無い。
ということで取り敢えず黙らせよう。そして逃げようそうしよう。
どうしてこの結論に至ったか?知らない。

「よし……お前ら少しぐらい黙りやがれっ!!」
「ひゃあっ!?」
「なぬ!?」

適当に放たれた回し蹴りは二人の眼鏡にクリーンヒット。
クルークさん頬が泥に付いてますよごめんなさい。
……ま、充分隙ができたことだし、今のうちに逃亡しておこうか。
どこが一番捕まらないかな……あ、森とかどうd「こ・ん・に・ち・わ、ナマエ。そんなに一生懸命走って、どうしたのかな?」うわーんレムレスこっちくんなあああああ!!



「……」
「ナマエって甘くてあったかいね。ホットチョコレートみたいだよ」
「いちいち変態みたいな言いまわしするのやめてくれないかなレムレス」

まあ、うん。ですよね。
私は一応Wクルークからの逃亡には成功した。
けれど正面から箒に乗って突っ込んできたレムレスから逃げろなんて言われたらそれは流石に無理な訳で。
ということで、私は見事レムレスさんに拉致られていました。
この人はどうしてこんなにいちいちタイミングが悪いんだろう。
レムレスは私を捕まえて適当な木陰に降ろすと、自分も箒から降りて腕の中にそれを大切そうに閉じ込めた。

「ふふ、あったかい」
「あの二人に見つかったら殺されそうなのでやめて頂けると嬉しいんですが」

レムレスは何も言わなかったけれど、代わりに抱く力を強めていった。
ああうん、逃げるなってことだね。酷い。

「それにしても大変だね、あの二人に絡まれるなんて」
「だから丁度逃げようとしてたところだったんです。見事に別の人に捕まりましたけど」
「そりゃ、僕もナマエのことが大好きだからね」
「それ以上言うと後でソルトケーキ食べさせられることになりますよ」

それは嫌だなあ、とレムレスは呟くけれど、やっぱり腕の中から解放してくれる様子は無い。
まあ、静かだしこれはこれでいいか。そう思った直後に、やっぱりあの二人は現れた。
勿論、つまりそれは私がレムレスに抱きしめられているのを見ていることになる。
要するに何が始まるか、っていうと……

「ナマエ……私以外の者に触れるとは、覚悟は出来ているのだろうな」
「相手がレムレスだろうと、流石にそれは許せないよ、ナマエ」
「二人とも、残念だけどナマエは此処には居ないよ。それよりもまずはお菓子でも食べて落ち着こう?」
「嘘吐け。其処に居るではないか」
「いや違……ああ、もういいや」

彼はふふふ、と笑って抱きしめる手をそっと放す。
刹那、彼らは紅と紫の魔導を纏いレムレスに突進し始めた。

「ハイドレンジア!」
「ウィス・アトラヘンディ!!」
「おっと……シュクレフィレ!」
「……」

本当、なんでこう私って運が悪いんだろう。

「ナマエー」
「あ、シグ。どしたの?」
「アミティが呼んでる。こっち来て」
「了解……って待てなんで私を抱きしめる」
「えー?」

まあ、これもまた日常だということで。

………………………
しょうりんだけが書くと思っていたかい?
私もですよ!←

ということでWクルーク……のはずでした。
どうしてこうなった。主にレムレスとシグ。
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