「……フェーリ」
「随分探しましたワ……レムレスセンパイ」
振り返れば、予想通りそこにはダウジングロッドを握り締め厳しい顔つきをした彼女が居た。息はやや荒く、どうやら本当に彼を探していたらしい。
「キミがどうしてこんな所に居るんだい?ましてや砂漠の上空なんて」
「それはこっちのセリフです……センパイこそどうして私を置いて別のセカイへ?」
話を聞かないことで有名なフェーリだが、レムレスに対してだけは不思議と従順だった。理由は勿論言うまでもない――それが決して叶うこともないのだが。
「もうそこまで広がってたんだ……大丈夫、僕は少しだけ出掛けてくるだけだよ。そのセカイに居る友人にお別れが言いたくて」
「知ってるワ……ナマエっていうコでしょ?レムレスセンパイがいつも会いに行ってる、向日葵畑の……キエエエエエエ!!」
何故そこまで知っているのか。レムレスは浅くため息を吐いて空を見上げた。――灰色。雨粒もいつの間にか大きくなっていた。
「どうしてあんなコにばっかり構うんですか?レムレスセンパイにはワタシが居るじゃないですか……!」
「ごめんね、フェーリ。大丈夫だよ、きっとすぐに帰って来るから」
「そういう問題じゃないです!センパイはワタシだけのものなのに……ナマエがどうしていいんですか?あれのどこがいいんですか?どうしてワタシには……!!」
段々フェーリの表情が変わっていく。――間違いない。彼女は発狂しかけている。
「キエエエエエエエ……絶対に行かせません、センパイ……ナマエのことなんて、ワタシが忘れさせて差し上げますワ……!!」
もはや発言の暇も無い。普段ゆっくり喋るはずの彼女が早口で、しかも畳み掛けるように次から次へと話し続ける。……彼はただ、変わってしまった彼女を見て言葉を失うしかなかった。
「ぷよ勝負……いや、この場合は魔導勝負の方がいいのかな」
「キエエエエエエエエ……!!」
勝負さえ成り立たなさそうだが進むにはこれしかない。
余り時間も無い、後輩とはいえど手加減は恐らくできないだろう。
「僕は意地でも進ませて貰うよ、フェーリ!」
「絶対に行かせません……レムレスセンパイ!」
………………………
ちょっと狂わせ過ぎた気がするが反省は勿論していない
ヤンデレ大好きなんでry
(12/17)
title bkm?
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