35ぷよ目「迷路とは物理で破壊するもの」


ア、アミティ!?……とレムレス」
「助けにきたよ、フェノ!まだ入ってもいないみたいだけど!」
「酷いなあ、僕はアミティのついで?」
ごめんなさい。
力尽きたクルークの前に現れたのは、アミティとレムレス。
それだけじゃない、アルルとりんごも居る。
「抜け駆けは許さないよ!危険な目に合うのは自分達だけ、なんて思ってない!?」
「困った時はお互い様、です!」
アコール先生は驚きながらも、やはり平然とした笑みを浮かべる。
……嬉しい。
単純に、皆が助けにきてくれたことが。
アミティは先生に近付き、彼と同じ覚悟を決めた眼でそれを見る。
「先生、私たちからのお願いです。二人を先へ行かせてあげてください」
「……それでも、」
もどかしい。
もう我慢できない。
皆がこうして出てきたのに、自分だけぬくぬくしていられるものか。
私は結界を解いてアミティの隣へ飛ぶ。
「先生なら信じられますよね?自分の育てた教え子を」
「フェノさん……」
さらにとどめ、と言わんばかりにレムレスが現れる。
「彼女たちは僕が見ます。これは彗星の魔導師としての業務命令ですよ」
……決まったか。
先生は何も言わず、こくりと頷いて脇に退いた。
ごめんなさい。
それでも私にはやらなければいけないことがあるんです。
あやクルにも、クルークにも。
それから、レムレスやアミティ達にも。
「……行くよ、フェノ」
「はい!」


「……無理っす」
「なかなかに歯応えのあるダンジョンだな」
「こ、これは流石のボクにも……」
ばたんきゅー。
なにこれおかしいよ……なんで城の中がとんでもない迷宮と化してるのさ?
どこぞのテーマパークの絶望できる大迷路より酷いよ!
現在ここに入っているのは私とクルーク、あやクルにレムレスの四人。
研究所組は能力的にも結構バランスがいいからそれでどうにかなると思ってたけど……
結論。無理。
「何この迷路……普通に進ませる気0だよ絶対」
「気持ちは分かるけど、出口くらい見つかるだろ」
クルークは微妙な顔で呟いた。
見つかればいいんだけど無理だって。
これは探してる間に力尽きるよ。
「あー、もう無理。レムレス、これどうにかして壊せない?」
「迷路壊す、ってそんなのでいいのかな……」
勿論全然良くない。
でも、流石にこの状況を打破する手の一つや二つ欲しいところ。
ここはいっそ……やってみるか。
「あやクルさんあやクルさん、今から試しにスーパーノヴァ撃つから私の反対側にハイドレンジア撃って」
「それに何の意味がある」
「迷宮突破(物理)」
「……」
呆れないでくださいあやクルさん。
正直に言うとこれ以外に脱出する手立てが無い。
空を飛んで辺りを見回したり出口へ行ったりできないようご丁寧に天井まで壁が伸びてるし。
これは絶対こういう方法使わないと無理だよ。
ということで心を落ち着け、手に力を集中させてみる。
青白い光は黄色く、そして赤へと変わっていく。
魔導は心の鏡、今イメージしなければならないことは……脱出。
大きく膨張したその紅い弾を思いっきりブン投げ――
「スーパーノヴァ!!」
刹那、眩しい光を放つそれが猛スピードで壁を貫いていく。
予想通り、魔導で壊すべき壁だったらしい。何この時間稼ぎ専用の施設。
「ふいー。よし、こんなもんでしょ」
「……そんなので良かったのか」
「わあ、すごい」
腕っぷしだけでどうにかなるのか、これ。
……ま、いいや!
「ということで片っ端からブチ破んぞ迷路!!」
「ちょっ、ボクまだ満身創痍なんだけど!?」


………………………
ぷよクラを書くことさえかなり久しくなっていた。
そしてなんだろう、このいかにもな適当感

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