「ということでやって参りました次のフロア!クルーク泡噴いてるけど大丈夫かなこれ!?」
「大……丈夫じゃないね。お菓子でも食べれば治ってくれるかな?」
「貴様ら、楽観視のしすぎにも程があるぞ」
あはははは、ごめんなさいクルーク。後で何でもしていいですから許して下さい。
次の階、どうやらここもまた時間稼ぎエリアらしい。なんというか……何?某縦シューティングゲーム?それともそれと対になるグレイズゲー?
目の前には、かなり密度の濃い弾幕が広がっていた。
「これは……魔導で弾を消すべきか、それても避けるべきか。フェノ、どうする?」
「やるべきことは一つ……面倒なので避けます!」
あやクルは「今こそ力で抑えるべきではないのか!?」と呆れた顔をする。
ごめんね、弾幕を見るとどうしても避けなきゃいけない気がするんだ。
「グレイズグレイズ得点とPアイテムは集めとけエクステンド忘れるな!」
「何の話だ!」
もう知らない!自分でも何言ってるかどうかよく分からない!
相変わらず泡を噴き続けるクルークにサンシャインレイを無駄遣いしながら、私たちはゆっくりと先へ進んでいく。
ショットもボムも無い状態で弾幕ごっこなんてどういうマゾゲーなのさこれ!?
「階段見えた階段!次のフロア行くよ!」
「待てフェノ!まだ私とレムレスが追いついていない!」
「もういいよ魔導でも何でもいいからブッ放して弾消して!どうせショットは使えないからボーナスは出ないよ!」
「だから何の話だ……ハイドレンジア!!」
とか言いながら結局魔導放つあやクルさん流石です。紅と蒼の光がフロア中に満ちたと思えば、次に見えたのは至近距離なあや様のお顔と引き摺られてるレムレスでした。
今更だけど一体何階まであるんだろこの城……まさか無限ループとかじゃないよね?
「アルルがサタンの相手をしていれば、少しはこの城に掛かってる魔導も薄くなってくれるはずなんだけど……」
呟きながら、無駄に長い螺旋階段を昇っていく。
「ん……フェノ……」
「あれ、やっと気付いた?頼むからもう気絶しないでよ、無駄な魔力の浪費は避けたいから」
丁度いいタイミングでクルークさんも起床。なんとか回復も終わったみたい。
そして、次の階で見えたのは――
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title bkm?
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