最期の一時


あとどれだけ、みんなといられるだろう。
個性豊かな仲間たち……みんなと。
落ち込んだときに笑わせてくれたり、嬉しいことにみんなで喜んだり。
とっても楽しい日々だった。

別にここの住人なんかじゃなかった。
いつの間にか、という言葉が相応しいだろうか。
初めてここに来て、戸惑った。
前の場所と違って、全然知らない場所。
でも、それはみんながいたから乗り越えられた。
辛いことも乗り越えられた。

今の私。
病院と呼ばれる場所で一人だ。
どこから来たのか分からない、原因不明の病原体に負けてしまった。

「みんなに感染するといけないから」

そう言って、私はみんなから離れるようになってしまった。
それと同時に。
みんなと、一緒にいられないことも分かってしまった。



あと、どれだけの時をこの世で過ごせるだろう。
私には分からない。
精一杯生きてきたのに。
前科なんて無いのに。
それでも生きる生命の時間は、全員不平等だ。



そういえば、アイツ……今頃何をしているのかな。
困り果てていた私に、声を掛けてくれた不思議な……人。
どの場所にも、どの時間にも、本当は……いない存在だって言っていたっけ。
それでも、笑顔を浮かべて生きていた。
……悪質ないたずらには困ったけれど。

たしか、別の世界のこと仲良しで、よく遊んでいるようなことも言っていたっけ。
会ってみたかったなぁ、仲間に。
きっと、個性豊かな仲間なんだろうな。



最近は誰からも忘れられたかのように、人の気配がない。
多分、みんなにはもう会えない。
別に、孤独怖くない。
むしろ、みんなの前はイヤだ。
どんな表情を浮かべるか、それを見ながらなんて……。
私には辛くて、出来ないよ。



「――!げほっ……げほっげほっ……」

手の指の隙間から紅いモノが滴る。
そうか……もしかして。
こういうことをきっと、『悟る』って言うんだろうな。
結局みんなには会う事がなかった。
それも仕方のないことなのかもしれない。

それじゃあ、どこかで会えることを願って――


**********


そっか……。
もう会えないんだね。
何となく、分かっていたような気もするけれど。
やっぱり寂しいや。
でも。
ボクが、キミの生まれる時空に。
絶対、遊びに行くよ。
そして、久しぶり、って言うんだ。

まぁ、きっとキミは覚えてないんだろうけれど……いいや。
新しい記憶を持った、キミと遊ぶんだ。

今、ボクの目の前で。
安らかに眠っているキミと――



==========
あとどれだけ一緒にいられるかな、という感じの気持ちになったら、
書き始めて何故かこういう感じになってしまった。
暗いだけじゃなくて……どうまとめれば良いんだろうか。
しかも、夢小説ではない小説とは……!
なんかスミマセンでした!


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