不思議に思ったこと。(シグ)


不思議に思ったんだけど。

「ねぇ、シグ」
「?」
「そのアホ毛って生きてるの?」

私が注目した点。
それはシグのアホ毛である。

前に見たんだ。
風が吹いているわけでもないのに、シグのアホ毛が動くところ。
たしか……虫を捕まえているときだったっけ。
そんなことはおいといて。

「というわけでシグ。そのアホ毛、いじってみてもいい?」

シグは無言のまま立っていた。
そのまま私の方を見つめている。
いや、そんなことされましても……どうしろっていう。
あぁ、アホ毛いじればいいんだ。

私はそっとシグの髪の毛に手を伸ばす。
うわぁ、さらさらだ。
そう思いながら、上の方に移動させる。
アホ毛が指先に触れる。
その瞬間、アホ毛が何かに反応するかのように動く。
シグの顔を見ると、特に気にしていないのか、寝ぼけた顔をしていた。



しばらくいじっていたけれど。

「特に何もないねー」
「?」

言葉通り、異常なし。
……おかしいなー。

その時、私の頭に何かが乗っかった感触がした。

「ムシだー」
「えっ」

そう言ったかと思うと、素早く虫を捕まえる。
彼の手に乗っていたのはテントウムシ。
キレイな赤色だ。

「わぁー……」

嬉しそうな、楽しそうな。いつの間にか笑みを浮かべていた。

「!!」

私はその時、気づいた。
彼の頭のアホ毛が、ゆっくり。
まるでメトロノームみたいに揺れていた。

彼は、そのことに気づいていないようだった。



==========
結局何なのでしょうね、シグのアホ毛。
やっぱり、生きているのでしょうかね。


prev next


(18/62)
title bkm?
home





×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -