糸電話。(ユウちゃん&レイくん)


響く。
震える。
届く。
その楽しさがここにある。

「おーい、ユウちゃーん」
「なーにー、ナマエ?」
「糸電話って楽しいねー」
「そうだねー!!」

さっきから糸電話で会話中。
これが本当に楽しいんだ。

声が響く。
糸が震える。
声が届く。
その楽しさが糸電話にある。

ちなみにこれは私の手作り。
ユウちゃんとレイくんの洋館から近くの木に引っ掛けてみた。
姿は微妙に見えるけれど、仕方ない。

「わあぁーっ!!」
「どっ、どうしたの!?」
「叫んでみたかった」
「おい、いろいろ誤解するよ、それ」

耳がキンキンしてるよー。
ぐわんぐわんしてるよー。
まぁ、いっか。少しおさまってきたし。

「レイくーん、いるー?」
「……いる」

やや間があって声が届いた。
少し小さな声でも聞こえるんだ。知らなかった。

糸が振動して伝わる。
その感覚が好きだった。
糸を少し弾けば、両方に響く。
指でつまめば、聞こえなくなる。
しっかり張れば、音は良く聞こえてくる。

私にとって、糸電話は不思議な機械だった。

これが今、久しぶりに実現している。
ユウちゃんとレイくんはとても興味津々だった。
もしかして知らなかったのかな。
だとしたら。
そう思って私はこの不思議な機械を作った。

「ナマエ!」
「……ナマエ」

二人の声が糸を通して聞こえてくる。
どうしたのー?と返事をする。

「………これからも」
「一緒につながろうねー!」

私はこの双子幽霊に、明るい答えを声で届けた。



==========
私の家にも糸電話があります。
誰かの家を通している訳ではないのですが。
あれは、身近な材料で作ることが出来る最強のアイテムだと思っています。
響いて届くあの感覚が好きです。


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