響く。
震える。
届く。
その楽しさがここにある。
「おーい、ユウちゃーん」
「なーにー、ナマエ?」
「糸電話って楽しいねー」
「そうだねー!!」
さっきから糸電話で会話中。
これが本当に楽しいんだ。
声が響く。
糸が震える。
声が届く。
その楽しさが糸電話にある。
ちなみにこれは私の手作り。
ユウちゃんとレイくんの洋館から近くの木に引っ掛けてみた。
姿は微妙に見えるけれど、仕方ない。
「わあぁーっ!!」
「どっ、どうしたの!?」
「叫んでみたかった」
「おい、いろいろ誤解するよ、それ」
耳がキンキンしてるよー。
ぐわんぐわんしてるよー。
まぁ、いっか。少しおさまってきたし。
「レイくーん、いるー?」
「……いる」
やや間があって声が届いた。
少し小さな声でも聞こえるんだ。知らなかった。
糸が振動して伝わる。
その感覚が好きだった。
糸を少し弾けば、両方に響く。
指でつまめば、聞こえなくなる。
しっかり張れば、音は良く聞こえてくる。
私にとって、糸電話は不思議な機械だった。
これが今、久しぶりに実現している。
ユウちゃんとレイくんはとても興味津々だった。
もしかして知らなかったのかな。
だとしたら。
そう思って私はこの不思議な機械を作った。
「ナマエ!」
「……ナマエ」
二人の声が糸を通して聞こえてくる。
どうしたのー?と返事をする。
「………これからも」
「一緒につながろうねー!」
私はこの双子幽霊に、明るい答えを声で届けた。
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私の家にも糸電話があります。
誰かの家を通している訳ではないのですが。
あれは、身近な材料で作ることが出来る最強のアイテムだと思っています。
響いて届くあの感覚が好きです。
(24/62)
title bkm?
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